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日米戦争における広島・長崎への原爆投下を日本・米国はどのように解釈すべきか?:戦争終結・戦争犯罪(人道の罪)

原爆投下は開発した最新兵器を試したい米国の意図があった。客観的には市民を大量虐殺した戦争犯罪だが、御前会議における一億玉砕の徹底抗戦論者を諦めさせる役割を果たした一面も確かにある。

「原爆が日本を平和主義にした」 米紙コラムなぜ書いた (朝日新聞デジタル – 08月10日)

日米戦争の敗戦がなければ、日本の内発的な自由化・民主化はなかっただろうし、天皇の威を借る軍部の政治的な影響力が強いままで、議会政治は骨抜きにされただろう。『軍・軍産複合体の自己保存』のために、現代の米国・中国・北朝鮮のような仮想敵の設定や示威行為を繰り返さなければならない情勢が続いたかもしれない。

近代国家が腐敗したり予算が拡大したり人権が抑圧される原因の一つは、一度大きくなった公的組織の規模や予算、俸給を減らす事が難しい『官僚機構の自己肥大・自己保存』にある。これは軍と官僚機構を入れ替えても成り立つ。軍も官僚機構も自己保存のため『次の仕事や敵』を自ら作り出し、その必要・危機を喧伝する。

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日本の防衛費が“ミサイル対処能力強化”で過去最大の5.1兆円に!

戦後日本の経済成長の一因は『軽武装路線』にあったが、日米同盟の双務化や集団的自衛権(海外派遣)を前提に『北朝鮮のミサイル防衛・中国との尖閣問題・米軍との共同』で防衛費は増額を続けそうだ。

防衛費、過去最大5.1兆円要求=ミサイル対処能力強化へ (時事通信社 – 08月19日)

財政悪化における防衛費増大は他の経済政策や社会保障の予算を圧迫する意味で好ましいことではなく、現代の最新装備の増強は巨額のお金がかかる。増額する防衛費の利権化・ベースライン化は回避すべきだが、軍部の代表者が政府に関与する国ではいったん計上された予算が翌年に減額される事は少なく、人員も減らしにくい。

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『白人警官に対する抗議デモ』で白人警官5人が狙撃されて死亡:アメリカで人種紛争が再燃か

多民族国家アメリカ、1960年代の公民権運動で『黒人の人権侵害・人種差別』は法律的には解消されたが、無抵抗の黒人容疑者を白人警官が過剰に痛めつけたり殺したりする型の黒人差別・虐待は根深い。

米警官狙撃、単独犯か 死亡容疑者、元陸軍の25歳黒人

2件続いて起こった白人警官による黒人射殺に憤慨する抗議デモには、かなり不穏な暴力的な空気もあったとされるが、発砲事件の一つは黒人青年がただ身分証明書をポケットから取り出そうとしただけで突然射撃された悪質な事件で、黒人の同胞意識や歴史的な人種差別への怒りに火をつけたのは無理もない面がある。

白人警官の黒人射殺事件の背景には『黒人の貧困率と犯罪率の高さ+白人警官の偏見と過剰警戒+黒人差別・人権の軽視』の複雑な事情があるが、やはり『銃社会における警察官の不安・警戒と先制攻撃』も無視できない。犯罪者の銃の所持率が高く黒人への偏見があると、警官は黒人の僅かな動きにセンシティブに反応しやすい。

奴隷制・人種分離・暴力闘争(マルコムX的闘争)など黒人差別の根深い歴史がアメリカにあり、『銃社会・武装権・黒人の貧困率(犯罪率)・白人の影響力低下(白人の人口減)』が絡む。黒人射殺の発砲事件は、白人の黒人に対する黒人の白人に対する複雑なコンプレックス・偏見と優劣感がぶつかる人種闘争の火種となる。

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高知東生の薬物事件と米国の1970年代のヒッピー文化・サイケ文化

高知東生の犯した薬物犯罪と不倫の女性関係は『人生の罠のテンプレート』だが、麻薬Gメン(厚生労働省麻薬取締局)や警察は内定すると24時間行動を監視し、薬の所持が確実な状況で早朝に踏み込むという。愛人といるラブホへの不意の警察訪問は自宅より驚いたはずだが、逮捕状・捜査令状で入室拒否は一切できない。

高知東生容疑者ラブホで33歳と睡眠中に覚醒剤逮捕

『天網恢恢疎にして漏らさず』で悪事はできないとも言えるが、薬物疑惑の著名人はかなりの確率で警察にマークされ続け、覚醒剤売買のネットワーク解明などで泳がされている。バレてないと浮かれていても、知らぬは本人ばかりで『俎板の鯉』の事も多い。依存性と再犯性は高く、重症になれば身体依存を伴う精神病にも近くなる。

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フロリダ州オーランドの銃乱射事件、オマル・マティーン容疑者(29)の動機は何か:ISの過激思想・同性愛嫌悪の影響など

オマル・マティーン容疑者は過去にFBIの聴取を受けIS(イスラム国)の過激思想に影響されたと言われるが現状ではISから指示を受けた形跡はない。同性愛嫌悪・社会憎悪・自暴自棄を根底に持つ国産・ローンウルフ型のテロのようである。

米フロリダでの銃乱射事件、断固として非難=菅官房長官

フロリダ州オーランドの銃乱射事件は米国史上最悪の50人の死者を出したが、ゲイ向けナイトクラブの閉鎖空間で連射した為に犠牲が拡大した。ISはマティーンをIS兵士とする声明を出しているが、『米国の既成秩序の破壊』に賛同する思想的傾倒・忠誠はあっても、テロネットワークの直接の指示命令は確認されていない。

オーランド銃乱射事件後、カリフォルニア州サンタモニカでゲイプライドパレードに向かう車内にライフル、大量の弾薬、爆弾の材料を積んでいたジェームズ・ハウエルという20歳の男が逮捕された。テロ計画の供述はないが、米国ではLGBTの権利を認める運動が盛んな一方、テロも辞さない過激な反対や嫌悪も根強くある。

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オバマ大統領の広島平和記念公園での演説の感想と『折り鶴』に込められた思い

日本人の文化や感性に合わせた『折り鶴』の贈り物。オバマ大統領にとっては政治的レガシーや日米関係強化の実利もあるが、米国の歴代大統領の中でも特にヒューマニズムや理想主義が強い人物だろう。

オバマ氏「実は折り鶴を持ってきました」 原爆資料館で (朝日新聞デジタル – 05月28日 21:09)

だが米国でオバマ・バッシングやトランプ旋風が巻き起こっているように、オバマ大統領のような『相手国の立場もある程度斟酌しながら一般的基準に照らして判断しようとする姿勢』が、米国内で『優柔不断で弱腰・米国人より外国人を優先する利敵行為(もっと国益・国民を優先せよ)』としてネガティブに取られる事も増えた。

格差拡大や失業・貧困の増加が『アメリカの斜陽』の空気を生みやすくなっており、世界秩序に対する一定の責任と役割を自覚してきたスーパーパワーであるアメリカの外交政策やバランス感覚が変化してきている。一部の国民は『ゼノフォビア・ユニラテラリズム・移民排斥の孤立主義』を主張し、多民族国家アメリカの分断も進む。

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