独身の男性の7割、女性の6割に恋人がいない, 望む子供数も2.32人で過去最低に:厚労省調査

独身の男性の7割、女性の6割に恋人がおらず性体験率も低いのは、享楽的・同調的な恋愛文化の衰退か。『経済的問題と将来不安・恋愛以外の娯楽増加・異性の選り好みと受身・若者の同性社会化』等の複合要因だろう。

<出生動向調査>望む子の数2.32人 過去最低

恋愛にせよ結婚にせよ、少し前まで『皆がするからしないといけない・好きになってくれる異性がいないと恥ずかしい・いずれ結婚出産する』の前提がある全員参加のライフイベントで、多くは『一定年齢で結婚できない事(生活できない・世間体が悪い・周りと自分だけ違う等)』を恐れて婚姻・出生率は自ずと高水準を維持した。

現代の若年層は子供を持つ意欲以前に、異性との恋愛に後ろ向きになっているが、若い男同士・女同士が集まる場所では今でも『異性・恋愛・結婚についての話題』はやはり多いのではないかと思う。その恋愛観や異性の基準などが自分の実像・状況に照らして『現実的』な人が減ったのかもしれない。

若い世代の男女で、カップル文化に親和的な人が全体の3?4割程度というのは、昔の『お見合い結婚・同調圧力・高望みしない・奥手で不器用な人』などを考慮すれば、今も昔も大差ないかもしれないが、今の20代は特に男女の所得格差や男の奢りもなくなり、『恋愛・結婚による若い女性の利』が減った事も影響するだろう。

恋愛や結婚はメリットでするものではないの正論もあるが、現代の若年層の男女関係における不満の多くは『自分が良いなと思える異性から好かれない(好きになってくれる相手はどこか気に入らない)』で、バランス理論を無視した『ただしイケメン(可愛い子)に限る・お金目当て(体目当て)』などの異性批判も多い。

『現実的』というのは、『総合的に自分の持っているもの以上のものを持った異性(自分だけ得する相手)』とは容易に結びつかないと知っている事だ。見た目・お金だけの批判にしても、それらがない自分がいったい相手に何を与えて満たせるかが重要で、何も持たずに一方的に自分だけの喜びを求めるは非現実・不公正となる。

結婚後に『望む子供の人数』の減少傾向は、先進国では子供を持つことによる経済的利益は期待できず、学校教育・職業訓練などで子供が自立するまで相当なお金がかかることが影響する。学歴不問の農業経済や肉体労働が中心の途上国の子沢山は、子供が短期間で労働力になり家計を助けるからで教育期間の長い先進国と異なる。

科学技術や産業経済の進歩が『現実』をより便利に快適に変革してきたが、文明社会とイノベーションの恩恵を受ける現代人は『現実・定め』に打たれ弱くなった。『労働・恋愛と結婚・育児』は『動物としての人の現実』だが、これを生きがいとするか苦悩・負担とするか、未来で科学が変える現実と見るか今後の人類に問われる。

出産後の女性に『家事育児・仕事・介護』などマルチな役割が同時に求められ過労に陥ってしまいやすい構造がある。将来不安から女性にとっても正規の仕事が保険的になりやめづらい。

「出産後も仕事」半数超す=育児休業の利用増で―交際しない男性7割・厚労省

年金・健康保険の社会保障制度の持続性が危ういこと、離婚リスク(夫の失業・減収リスク)はゼロにならないこともあり、自分の力で稼げる正規雇用のキャッシュフローとキャリアがあれば、それを途中で捨てることの損失は確かに小さくはない。サラリーマンならいったん辞めると元職と同等の収入・雇用保障は得づらくなる。

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