講談社の『モーニング』編集次長による妻の殺害事件について考えたこと

講談社のモーニング編集次長・朴鐘顕容疑者による妻の殺害事件は、『4人の子供の育児を妻任せ+妻の仕事の否定(いつの段階からかは不明)』が原因の中心にあるが、数ヶ月の育休を取って『イクメン・円満家庭のアピール』をしつつも、現実に『育児が回らない家庭・妻の疲弊状態の放置と隠蔽』をしたツケが回ったのだろう。

朴鐘顕容疑者は育休は取得したものの、典型的な出版社の出世路線のハードワーカーで、連日朝早くから深夜・早朝までの仕事が常態化しており、深夜0時前後でも早い帰宅、下手すれば帰宅が午前5時を回っていたらしい。そんな帰って寝る他ない労働形態で育児参加はほぼ不可能だが、妻と育児を巡る口論が頻発していたという。

この事件が多くの非難を集めた理由の一つは、朴鐘顕容疑者の『妻の死を自殺に見せかける卑劣な隠蔽工作・浅はかな虚言』にあり、妻の死を何も悲しまない保身のみの態度にあった。妻を絞殺した複数の証拠や血痕がある状況で、『階段からの転落』や『物理的に不可能な衣服での首吊り自殺』に説明を変えるのは姑息に過ぎる…

精神科にうつ病で通院していたと嘘をつき、妻がいつ自殺してもおかしくない自殺願望の強い精神状態にあったとの心証を与えようとしたが、『健康保険・クリニックに通院歴がない』のにすぐバレるわけで…出版社のハードワークや妻の育児状況の孤立も要因だが、自分の仕事の拘束の強さは事前にわかっていた事ではある。

4人もの子育てを実際誰がするのかについての話し合いや計画が不十分だったのだろうが、仮に朴容疑者が自分が育児をするから子供がもっと欲しいなど嘘をついて、後で全て押し付けたなら問題だが、妻が育児ノイローゼになり夫が責められても殺害以外の選択はあるように思う。夫側も過労・喧嘩で不安定な精神状態だったか。

事件前に『夏休みで子育てが大変すぎて疲れた、できない』といった旨のメールを妻が送り、容疑者は『対応しよう』と返したらしいが、妻側は親からの育児支援を受けられない状況か遠くから来た人だったか。夫の収入は分からないが、妻の状態に応じベビーシッターを雇ったり有料託児所に預けたりできれば良かったとも思うが…

東京に一軒家を購入しているようだから、講談社勤務で平均以上の収入はあったと思うが、4人の子育ての費用と住宅ローン・車ローンなどを含めれば、随意にベビーシッターを雇えるほど余裕はなかった可能性も高い。妻が働きたいといっていたのは、何かキャリアがあるか働かないと保育所には預けられないからだろうか。

仕事と育児を巡る家庭内トラブルが原因とするニュース記事が多い。殺された妻は『仕事を辞めさせられた不満・夫から仕事と育児の両立ができないならやめろと言われ暴力を振るわれるDV』を公的機関で相談しており、望む子の数や育児の負担割合、経済事情、妻の仕事等で、早い段階で夫婦の間に意見の不一致があったのかも。

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