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経済格差だけではない『児童虐待』を生みやすい『成育環境・愛情・教育』の格差の深刻な問題

東京足立区で起こった3歳児を『兎用ケージ』に監禁して殺害した事件のルポ記事を読んだ。無知・貧困・虐待・捨て子の世代間連鎖とでもいうべき加害者父母の劣悪な生育歴(善悪・常識・愛情・社会性を学ぶ機会の剥奪)が詳細に書かれていた。現代日本における『理性・愛情のない格差の底』は大半の人の視界にも意識にも入らず想像に限界もある。

どんな劣悪な家庭環境や異常な親子関係でも、犯罪を犯して良い理由にはならないし、類似の親でも犯罪・虐待をしない人もいるの正論も分かるが、まともな知性・愛情・良識を持つ両親のいる中流家庭で育てられ大学なり専門学校なりを出して貰った人が『機会の平等・罪刑法定主義』を盾に正論で叩くのにも違和感はあるな。

子供は親・環境を選んで生まれるわけにいかず、全ての親に最低限度の知性・愛情・良識・判断力(責任能力)があるとも期待できない、どうにもならない要素は多い。生まれながらに人格形成や愛情獲得、学習にハンディを負い、本能に動かされ負の連鎖は続く、『法の下の平等・機会の平等・義務教育』の建前の虚しさも響く。

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オックスファムの報告書『1%のための経済』、世界の富豪62人の資産総額は貧困層36億人分の資産に等しい

NGOのオックスファムが報告書『1%のための経済』で世界で最も裕福な62人の資産総額が、世界人口の半数を占める最貧層36億人分の総資産に等しいとする独自の推計を公表した。グローバル経済の富の集積と格差の拡大が極端なレベルに達し、国民国家の保護規制が崩れ、先進国の一般労働者も賃金下落の圧力に晒され易い。

アメリカだとビル・ゲイツやウォーレン・バフェット、日本だと柳井正や孫正義、三木谷浩史などが富豪上位の常連として知られるが、米国のティーパーティー(茶会)の極右・リバタリアンの『コーク兄弟』などは思想的にも政治的影響力でも厄介な存在だと言われていたりする。

ゲイツと並ぶメキシコの通信王カルロス・スリム・ヘルはその知名度が日本ではまだまだ低いが、実業家としても慈善家としても中南米での影響力は大きく、過去には何回もビル・ゲイツを抜いて世界トップの富豪の座を獲得していたりする。

資本主義以外の代替的な経済システムで上手くいったものがないのが格差拡大の根本問題ではある。結局、お金の交換価値がないと「人が人を支配する世の中(擬似的な身分制・独裁)」になりやすいので、「資本主義の修正版の経済システム」しか実質の選択肢がない。

後は科学技術やロボットによる技術革新のブレークスルーで、人間の生活様式や労働に対する価値観が劇的に変わる可能性くらいしかないかもしれない。

先進国内の格差は、貧しくても教育水準が高い層が多いため、親子間の格差継承を嫌って、敢えて子供を作らない『親世代が中流階層』のボリュームが増えやすくなり、人口減少や国民の教育水準の低下の副作用は大きくなる。途上国は労働需要を超えた『教育のない不満の多い層の人口』が爆発する事で、政治やテロのリスクが上がってしまう。

社会主義の最大の弱点は、個人の自由意志を暴力・法律で規制しないと成り立たないシステムであるため、「赤い貴族」と呼ばれる共産党幹部が封建社会の貴族のように権威化し蓄財し始めることで、逆らえば「思想犯」として強制収容所で洗脳・強制労働(これも思想教育w)・処刑の恐怖政治に堕落しやすい。

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“生活苦(貧困)・介護疲れ”などを理由にした家族間殺人の増加と自己責任論の圧迫感

現代の貧困は悲惨な事件が起これば『同情論・政府批判』が集まるが目の前の貧困は『自己責任論』で叩かれる。無年金・無貯金の困窮も、健康でもう少し若ければ過去の就労歴を非難される要因になる。

夫婦死亡、殺人容疑などで三女逮捕「生活苦や介護疲れ」

本当に困っているなら生活保護を受ければいいのには…ある種マリー・アントワネット的な他人事の言い草で、生活保護申請で受け得る説教・屈辱・非難を恐れている人は多い、自殺とバーターになる事さえある。生活苦・介護破綻は突然起こるものではなく、じわじわ過去の不足・ツケが積み重なり、気づけば限界を超えている。

中年の長期無職者の再就労の難しさで、面接者が『こんなに長く働かずに何をしていたんですか?普通はもう少し早い段階でどうにかしなきゃと思う』などの自己責任追及の説教モードで来る事があるが、数十年かけて仕事や年金納付が定まらず貧困化していった高齢者も、同様の自信の無さ・不安が強く相談しづらくなっている。

人の自意識や相談の難しさは、『現時点の生活状況・困窮の度合い』だけを見て対応してくれる相手かどうか分からない事であり、過去に負い目があって自省の強い人ほど、生活保護に頼る発想にはいかない。貧窮に対する自己責任の部分も分かっていればこそ、ギリギリまで出来る範囲で働いてダメなら自殺の悲観に嵌りやすい。

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