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ウェアラブル端末としてのスマートウォッチ

腕時計型のウェアラブル端末としては、ソニーの“SmartWatch 2”とサムスンの“GALAXY Gear”がでているが、これらのガジェットは『スマートフォンを取り出さずに着信情報を確認したいニーズ・スマホを携帯音楽プレイヤーとして使いたいニーズ』を満たすくらいで、スマホ本体に相当するような必須性・革新性はないように思う。

スマートウォッチ、話題の2機種を試してみた

スマホ本体を取り出しにくい状況というのは『コンサート(ライブや舞台)・映画館・講演会・会議・講義(授業)』など幾つか想定することができるので、スマートウォッチだけで電話やメール、SNSの着信を知ることができたり、メール本文を読んだりできるのは便利といえば便利だが、いずれもそこまで『リアルタイムでの着信確認が必要な差し迫った状況』というのはそれほど多くない気はする。

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映画『スティーブ・ジョブズ』の感想

総合評価 73点/100点

世界最高のクリエイターやプレゼンテイターとして評価されるアップル創設者のスティーブ・ジョブズの人生を映画化した作品。特に、共同設立者スティーブ・ウォズニアックをはじめとする身近な仲間たちと一緒に、アップル社を小さなガレージで起業して軌道に乗せ、次第に大企業として成長していくまでのプロセス、その時々におけるジョブズの生々しい人間性や人間関係の対立を詳細に描いている。

アップル社が大きくなっていくに従って『スティーブ・ジョブズと旧友だった初期メンバーとの意識の差』が開いていくが、ジョブズは『現在のアップルに必要のない人材』だと見れば即座に首を切る冷淡さも併せ持つ。旧知の友人でスタートアップのメンバーであっても、技術者・管理者としての能力が低ければストックオプションの報酬を与えないまま退職にまで追い込み、旧友から怨みを買ったりもする。

スティーブ・ジョブズの成功の起点は、商売っ気のない趣味で基盤いじりを楽しむコンピューターオタクだったスティーブ・ウォズニアックの自作のコンピューターのマザーボードに、『個人用のパーソナルコンピューター(パソコン)の時代の到来』を予感したことだった。

こんなものを個人で買いたがる奴なんていないと自嘲するウォズニアックに、ジョブズは絶対にこれは売れるようになると断言し、暇をしている仲間を集めて『ガレージでの人力の量産体制』を何とか作り上げて納期に間に合わせた。2012年に世界最高の時価総額の企業となったアップルの第一歩は、こんな個人事業に毛が生えたような所から始まった。アメリカ企業史でも卓越した成功事例だとされる。

ジョブズは猛烈な行動力と営業力、説得力のあるプレゼンテーションと負けず嫌いの交渉によって、何の知名度も実績もなかったアップル社のパソコンを売り込んで融資を取り付ける事にも成功する。当時のコンピューター産業の巨人であったIBMがまだ独占していない『パソコンのニッチ市場』に深く食い込み、マッキントッシュでは目に見える形で直感的操作がしやすい革新的なGUIを開発した。

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