『老後の貧困化』の恐怖と『公的年金制度』の持続性の危機:日本の高まる貧困率と社会保障不安

公的年金制度が機能している現在の65歳以上の高齢者でさえ貧困率は20%を超える。大量の団塊世代が後期高齢者となる2025年頃から急速に年金の財政状況は悪化する予測で、現在50歳以下だと年金の受給開始年齢の引上げと受給額引下げに耐える準備が要る。

他人事じゃない「老後貧乏」のキョーフ

みんなが老後に貧乏になるわけではないが『雇用形態・所得水準・退職金の有無・貯蓄と投資』によって日本の高齢者の格差は拡大傾向を続けている。若い世代ほど公的年金だけで生活費・医療介護費を賄う老後設計が不可能になってくる。所得中央値の50%以下の相対的貧困率も20%に近づき現役世代の生活自体が厳しい。

『経済成長率・税収・人口動態・平均所得・財政収支・非正規雇用率・基礎年金のみの1号被保険者率+国保の未納率』などから見て、現行公的年金制度をはじめとする社会保障制度は『国民の最低限の老後生活』を守る役割を次第に果たせなくなっていくことがほぼ自明である。現役世代が逆に保険料負担で生活が圧迫されやすい。

中堅以上の企業か公務員で長期雇用されていなければ、まとまった金額の退職金はなく、まともな金額の年金も受給できないが、今の企業で40年以上にわたり経営・雇用を維持できる所は少ない。大半は生涯賃金が低い中で貯蓄しなければ、死ぬギリギリまで働く必要が出るが、生涯現役モデルに必然に移行するか。

今はまだ無年金・低年金の高齢者で健康上の問題があれば生活保護の救済がある程度まで為されているが、中長期的に生活保護率が保たれる可能性は財政上の理由から低いだろう。だがフリーターや派遣労働の間歇的就業(就業・失業期間の混じるキャリア)が増え、将来の低年金・貧困問題にどう制度的に対処できるかは不透明だ。

1980年代後半から、相対的貧困率は『高齢化・母子世帯や単身世帯の増加・雇用形態の変化』によって上昇し、1990年代からは『勤労世帯の格差拡大・非正規率の上昇・労働意欲や職業意識の格差』などで人生設計・生活水準の差が開いたが、2025年頃から『人口動態の超高齢化・少子化の構造的影響』が強まってくる。

雇用や税・保険の納付がレコードされる近代文明社会は、人が自然に生きて自然に死ぬことが出来ない労働・納付・保障・医療(介護)の管理制度社会としての側面を持つ。マイナンバーはその人生の履歴化の道具でもあるが、『医療・介護・福祉の限界と生涯現役モデル+リビングウィルの尊厳死』等が議論される近未来があるか…

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