産後クライシス、“夫”と“妊娠中・子育て中の妻”とのすれ違い:男はなぜ結婚生活で気を遣わなければならない事が多いのか?

ジェンダーを離れた男女平等な子育ては人類史上で殆ど経験がなく、先進国でも『人権の理念+男性所得低下+女性の選択権強化』で間接的に要請されてきた。妊娠・出産による女性の心身状態の変化に適応できなければ離婚リスクが上がる。

妊娠中や産後の夫婦によくある、すれ違いのパターン4つ

一昔前は確かに男が父親として母親と同等の育児義務を果たす家庭は少なく、『男は仕事・女は家事育児のジェンダー(性別役割規範)』が社会で共有されていたので、子供ができても男はひたすら仕事をしてお金を入れていれば良かった。母・祖母など家の女性コミュニティが出産・育児のあれこれを担当する事も多かった。

現代ではその性別役割を満たす十分な所得を稼ぐのが難しい現実がある。女性も出産後数年で正規雇用に戻って働く人も増えたし、パートでも女性も基本的には働き続ける社会に移行している。全面的に扶養されている訳でもなく夫が家事をしないと『自分だけ働いて世話までしている被害感』が強まるのは必然だろう。

どうして男だけそこまで気を遣って機嫌を取らなければならないのかの意見も多いが、これは男性原理と女性原理の逆転、『かつての弱い女性の立場に男性が置き換えられる事もある現象面』として解釈できるか。昭和期まで女性が経済的に自立できない事や離婚の不利益で結婚の忍従・苦難は多く妻が夫の機嫌を取る事も多かった。

男性と女性が対等(フラット)な関係でお互いの人格・苦労を尊重しながら協力していくのが『結婚・家族の理想』ではあるが、どちらかが『自分だけ不当に苦労させられている・相手は最低限の役割さえ果たしていない(家にいると邪魔)・私がいないと困る癖に』と思い込むと、『家庭内の権力構造の弊害』が生まれてくる。

『家庭内の権力構造の弊害』が最も歪んで表現されるのが、相手を格下の存在と見なす『モラハラ・DV』だが、過去の男性社会では『誰のお陰で飯が?+嫌なら出ていっていい(俺が出ていく)』が典型的モラハラだったが、女性社会では『別にあなたがいなくても良い+もうあなたに興味ないから』の反撃的なモラハラも増える。

どうして男だけそこまで気を遣って機嫌を取らなければならないのかの理由は『女よりも男の方が別れたくない人が多いから・子供は母親を選ぶことが多く男が家庭を壊せば最後は一人(孤独)になりやすいから』に行き着くかもしれない。長く付き合った女性からのあなたがいなくても良いは、大半の男にとって精神的危機を招く。

究極的には子供を産んだ大半の女性は経済的問題がなければ、子供と一緒に暮らして女性同士楽しくやってれば『男・夫がいない人生』を耐えられないほどつらいとは思わないだろう。だが男性は一度妻や子供を持って、それらを失って一人や男同士で生きていくというのは精神的に耐え難く、生きがいを失って落ちぶれる人も多い。

なぜこういった精神面での男女差があるのか、生物学的・心理学的に様々な解釈が可能だが、男性は好きな女に『母性的なケア・表象』を投影して甘えて期待しやすいが、女性は好きな男に一時的に父性的包容を期待しても多くは幻滅させられて、『大きな子供』のような位置づけとなる。結果、精神的依存度が低くなるのかも。

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