石原さとみのドラマ『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』で注目された“校閲”という仕事

ウェブ以前の校閲の仕事は誤字脱字のチェック以上に、事実確認を要する原稿を見る際の『高度な知識・レファレンス(参考文献の検索)』が必要だったが、ネット検索の質が向上してからはライターのセルフチェックのみの記事が増えた。

地味というより本当にスゴイ!校閲さんの実際のお仕事

単行本になるような紙媒体の著作の校閲者は現在でもレベルが高いだろうが、校閲のニーズ低下とダブルチェックの欠如によって『著者・ライターの生の語彙力・注意力・表現力の差』が記事・文章にでやすくなった面はある。文学やエッセイの個性的な修辞(レトリック)には正解はないが、報道・論評の記事には一定の型がある。

大量の文章を正確に校閲して誤字脱字を無くし、現在よりも分かりやすく伝わりやすい表現を模索する仕事は、ある意味では『自分自身が書きたい内容を書く・与えられたテーマで自由に文章を書く』よりも精神的にきつい仕事で向き不向きがあるが、一冊の本に一文字も誤字脱字がない時には校閲者の能力・集中力に敬意を覚える。

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将棋の三浦弘行九段の将棋ソフト不正疑惑,  新垣結衣のドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の感想

○将棋・チェスは世界トップの棋士でもAI(人工知能)には勝てなくなったが、三浦弘行九段(42)の一手ごとに離席する不自然な動きが、『将棋ソフト利用のカンニング』ではないかと疑われている…AIは既に人対人の過去の棋譜のデータベースからの学習を完了したとされるが、これからは棋士のスマホ持込禁止・閲覧禁止のルールの徹底が図られるようになるのだろうか。

かつて人間にとってほぼ無限に近い棋譜のある将棋やチェスは、人間の予測する高度な知性がぶつかり合う知的ゲームの典型とされたが、『設定されたルール内のパターン学習』においてAIは圧倒的な強さを持つ。現状では世界王者でも5戦してかろうじて1勝の水準だが、完全にAI優位となれば人のゲーム探究に水が差される。

三浦九段にかけられた疑惑は本人は否定しているが、仮にそういったスマホやPCによるAI利用の不正があったとしたら、そこまでして勝つことに何の意味があるのか、AIがすべてのデータベースとパターン学習を網羅したゲーム(ソフトでチェックすれば最適の一手が分かる)におけるプロの威信低下などは有り得るかも。

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