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北朝鮮の日本列島を超えたミサイル発射問題と軍事衝突リスクの考察

日本列島を超える北朝鮮のミサイル発射は10年以上前から繰り返されていて、『今に始まった挑発・緊張』ではなく、先制攻撃で日本の安全が守れるわけではない。被害者ゼロの瀬戸際を超えれば北朝鮮は自滅する。

北朝鮮が弾道ミサイル発射 日本上空を通過

北朝鮮は『戦争による侵略意図・権益獲得の野心』はなく、瀬戸際外交とミサイル発射で時間を稼ぎ『核武装して米国に内政干渉されない体制・保証』を固めたい。ミサイル基地や平壌・金正恩を先制攻撃で叩く場合、一定規模の日本国民の犠牲も覚悟しての仕掛けとなる。9条なしでも、現在の日本社会ではその仕掛けはできない。

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戦時中の日本の精神と『捕虜・降伏』を避けた村八分の心理:生まれ故郷・両親に対する特別な思い入れと恐怖

戦時中の日本兵の精神について報告した米国のIBでは、田舎者は天皇の為に死に靖国神社に祀られる事を最高の栄誉と信じたが、教育のある都会人ほど虚構と見抜いていたという。兵士としては三流だが降伏せず捕虜にならないのは、生還すると村社会で激しい虐待や排除に遭うからで、敵以上に味方を怖れて決死の突入をした。

米軍のIB(情報公報)では日本兵が降伏せず捕虜にならないのは『祖国』に還っても村八分・虐待で生きられなくなるからと記す。日本兵捕虜の苦悩は、天皇・公共への忠誠云々ではなく『生まれ故郷・ムラ』から排除・虐待される恐怖にあり、祖国に帰ったら父母から殴られ同胞から殺されるかもという考えの者が多かった。

日本軍だけではなく日本の学校においても、体罰・怒声・虐待による恐怖心を利用した絶対忠誠の植え付けが行われていたが、日本人は特に『生まれ故郷で裏切り者と思われること』を特に恐れ、降伏・捕虜になって生還しても『父母さえ生還を喜ばない・自分も家族も恥辱に塗れ人非人のように攻撃される』という思いが強かった。

捕虜の中には『生まれ故郷・本家や両親のある地域』にさえ戻らなければ、何とか死なずに済むと訴えたほど、故郷のムラと両親に自分が米軍に降伏した裏切り者と知られることを異常なほど恐れたという。こういった挫折・失敗して生まれ故郷・親元に絶対に還れないという価値観は、戦後の集団就職の時代頃まで続いていた。

今でこそ、匿名的な都市環境や甘える友達親子も許されているが、戦時中は元より戦後暫くまで『挫折・失敗によって生まれ故郷や親元に還るのは死ぬよりつらいという村八分やイエの名誉が関連した価値観』は生き残った。1970年代頃まで田舎は長男以外の子は一度外に出ると家に逃げ帰るようなことはできない風習は強かった。

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欧米列強と日本の中国侵略・共同統治(権益配分)の歴史:蒋介石・毛沢東の国共合作と抗日闘争・中国ナショナリズム

日本一国で急に侵略をしたのではない。ロシア革命後のワシントン体制下の日米英仏の中国共同統治・権益分配があり、日清戦争・満州事変で得た権益を日本は死守し、『北伐・国共合作』を成した国民党・蒋介石は満州を奪い返そうとした。

国土が小さい日本、なぜ中国を侵略しようと思ったのか「理解に苦しむ」=中国報道

1911年の辛亥革命から孫文・袁世凱の系譜を継ぐ『北京政府』が1928年まで存続したが、北京政府は中国全土や中国人のナショナリズムを統一するほどの影響力を持たず、『列強諸国の分割統治+軍閥割拠の内戦状態』で弱体だった。日清戦争で中国に優越感を持った日本は逆らうなら懲罰する暴支膺懲で舐めていた所がある。

その風向きを急速に変えたのが軍閥を統合して、バラバラだった中国人に『反帝国主義・抗日思想・独立心』を植え付けた国民党・蒋介石と中国共産党・毛沢東(背後にソ連・コミンテルン)であり、この新勢力が北京政府を北伐したことで中華民国は侮れない(以前のように簡単に降伏せずゲリラ的抵抗を続ける)国に変質してきた。

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沖縄戦終結72年、沖縄県の戦争被害・基地負担の歴史を考える:戦争が起こるメカニズムと戦争を支持する大衆心理・時代意識とは何なのか?

沖縄の悲劇は戦争と戦陣訓で多大な犠牲を出した地域でありながら、戦中は二級国民扱いされ、戦後の反戦運動・基地反対さえ非国民的(親中・利敵)と指弾されている事だろう。軍事関連の犠牲と負担と非難が、沖縄県に長年にわたってのしかかり続けている。

沖縄戦終結72年=語り継ぐ体験、妹亡くした83歳女性

戦争を繰り返さないためにどうすれば良いか。軍事力を強化すれば戦争を回避できるは誤りで、『軍産複合体の巨大化+軍人の発言権の強化・軍人閣僚の承認』があると、アメリカのように軍事費・軍隊の自己正当化(必要性の自己証明)のために戦争の大義名分がつくられる。軍事関連の雇用が増えると簡単に削減できない。

必要限度の防衛力(軍事力)は必要だが、『軍事費・軍事関連の雇用の拡大』を抑えられる仕組みを担保し、『軍事ビジネス化(国の軍事予算を当てにする企業・軍隊・勢力の増大)』と『軍人の権威権限・発言力の強化(軍人が内閣に入って閣議に影響を及ぼす)』と『国民の軍事・軍人の熱狂的支持』は抑止しなければならない。

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北朝鮮問題で強まるアメリカの圧力:『対話と圧力』のバランスの崩れと日韓の副次的被害のリスク

北朝鮮の核実験に対する米国の制裁圧力が高まる中で、金正恩は『核実験』ではなく『半端なミサイル実験』で強気な挑発姿勢をアピールしたが、核実験なら米国が軍事攻撃の可能性もあった。北朝鮮の瀬戸際外交の緊張感が高まっているが、韓国・日本の副次的被害を回避しつつ圧力をかけるには米国と中国の連携が鍵になる。

北朝鮮問題は緊迫化するが、日本の安倍首相は花見会で桜を愛で当事者意識薄くトランプ頼み、韓国の朴槿恵前大統領は弾劾裁判で失職し『実質の政治空白』に陥り黄教安代行もトランプ頼みか…トランプ大統領は軍事制裁の圧力を強めるが、米国本土にまず危害が及ばないが故の日韓巻き込む強硬策の懸念が出てくる。

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北朝鮮問題に米トランプ政権はどう対処するのか?:DVにも似る主権国家不可侵のロジック

米国のトランプ政権の北朝鮮政策が緊迫の度合いを強めている。北朝鮮の『瀬戸際外交』に対し、トランプは土俵際ギリギリまで詰めそうだが、北朝鮮の強気の反米政策は異常な金正恩独裁体制の柱なので、米国の警告には従わず基地を攻撃されれば反撃するだろう。半島有事の誘発は、米国より韓国・日本のリスクが大きいが。

米国と北朝鮮の強硬姿勢のぶつかり合いだが、北朝鮮は『米国を交渉のテーブルに着かせること=金王朝体制容認の保証』を強く求めていたが、核実験の合意不履行を繰り返しオバマ政権からは完全無視に近い対応を受けていた。トランプはオバマより北の挑発に乗るが『力による平和実現』は周辺へのコラテラルダメージは大きい。

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