北朝鮮問題に米トランプ政権はどう対処するのか?:DVにも似る主権国家不可侵のロジック

米国のトランプ政権の北朝鮮政策が緊迫の度合いを強めている。北朝鮮の『瀬戸際外交』に対し、トランプは土俵際ギリギリまで詰めそうだが、北朝鮮の強気の反米政策は異常な金正恩独裁体制の柱なので、米国の警告には従わず基地を攻撃されれば反撃するだろう。半島有事の誘発は、米国より韓国・日本のリスクが大きいが。

米国と北朝鮮の強硬姿勢のぶつかり合いだが、北朝鮮は『米国を交渉のテーブルに着かせること=金王朝体制容認の保証』を強く求めていたが、核実験の合意不履行を繰り返しオバマ政権からは完全無視に近い対応を受けていた。トランプはオバマより北の挑発に乗るが『力による平和実現』は周辺へのコラテラルダメージは大きい。

日本の時事通信などのメディアは、半島に近づく米空母カール・ビンソン、ステルス機能搭載の戦闘機スーパーホーネット(FA18)や巡航ミサイルのトマホークがいかに優れた戦闘能力を持つかの解説記事を載せ、北朝鮮との軍事衝突近しの印象を与えているが、米軍が北にどのような圧力のかけ方をするかで日本の懸念は多い。

確かに米空母がシリアにしたように海上からのミサイル攻撃と戦闘機の爆撃で軍事制裁を加えれば、北朝鮮の基地・兵器・兵士・ミサイルに一定の損失を与えられるだろうが、北朝鮮はシリアのような内戦状況にはなく反撃能力もゼロではない。降伏すれば体制瓦解なので、北朝鮮は短期で武装解除に応じそうにもない…

北朝鮮に限らず中国・ロシアも、どんな酷い内情にある国でも『主権国家への干渉=侵略』と定義するが、北朝鮮が米国に求める本音は金銭・物資の援助要求もあるだろうが、『北朝鮮人民が政治によってどんなに途端の苦しみにあろうとも主権国家のうちに口出しするな』に近い。主権国家が牢獄になるような原則論の問題もある。

国家と家庭で規模・被害は違うが『主権国家の普遍的な不可侵性』は『DV(ドメスティック・バイオレンス)』に第三者が入りづらい問題構造とも似る。うちのことに口出しするな、外のよそ者は黙っていろがどのレベルまで通用するのか、『内で虐待・外で恫喝』では主権国家存立の最低限の責務を放棄しているようにも見える。

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