ラ・ブリュイエールやマルクス・アウレリウス・アントニヌスの名言などから思ったこと

ラ・ブリュイエールの名言……“我々は自分の幸福を自分の外部、他人の評判の内に求める。他人はみな軽薄かつ不公平で、嫉妬、気まぐれ、偏見に満ちている事を百も承知なのに”

しかし同様に、自分も『置かれた立場・利害・誘因』によっては軽薄・不公平・嫉妬・気まぐれな側面を完全には否定し得ないもので、自分にとっての他人は“鏡”なのだとも思う。

マルクス・アウレリウス・アントニヌス『自省録』の名言……“名誉を愛する者は自分の幸福は他人の中にあると思い、享楽を愛する者は自分の感情の中にあると思うが、もののわかった人間は自分の行動の中にあると思う。君が何か外的理由で苦しむとすれば、君を悩ますのはその事自体ではなくそれに関する君の判断だ”

客観的な事実ではなく、主観的な物事の捉え方(解釈や判断)によって悩ませられるというのは、認知療法的な因果関係でもあり真実の一面を突いているなと思う。

セネカの『外から入ってきた喜びは、いつか外に出て行く』のフレーズもあるが、この種の名言では外向的な幸福を仮象・刹那的、内向的な幸福を本質・持続的と見なす向きがある。実際は、『外にあるモノ・人(評価・情)で得られる喜び』と『内にある思想(論理)・価値観(自己定義)で得られる喜び』のバランスが重要だと思うが。

『目的を遂げるのに、永く忍耐するよりも、めざましい努力をすることの方がまだ容易だ』『人は精神の力によって大きな悲しみから脱けられるものではない…人間はすこぶる弱いから、否、非常に浮気だから、すべてを思って諦める』 ブリュイエールの名言には、成功哲学的なもの、それとは反対の仏教的ニュアンスの表現もあって面白いな。

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