軽井沢のスキーツアーバス転落事故と夜間の山道走行の危なさ:長距離バス事業での高齢者雇用

高齢な運転手の技量・健康に問題があった可能性があるが『安全なコース選定』も不十分だった。冬の深夜に碓氷峠を越えるコース、積雪・アイスバーンがあれば熟練のバス運転士でも危ういと思う。

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バスは転落の直前に大きく左右に蛇行していたとの証言があり、ブレーキやハンドルなどバスそのものの故障の可能性もある。『急角度のカーブ・車幅の狭い道』が数キロ以上にわたって連続する山道・峠道・林道の類を深夜に抜けるのは、大型バスでなくても危険で、何度か走って道を覚えてないと緊張による疲労も出やすい。

大勢のツアー客を乗せて走るなら、当初の高速道路を経由するコースのほうが安全性は高かったと思うが、車体の点検整備や部品の経年劣化(金属疲労)に問題があったのなら山道の長時間走行で余計にブレーキ・ハンドルに物理的負荷が強くかかって故障した可能性もある。峠・林道を長く走るコースの深夜バスは避けるべきかも。

タクシー運転手も高齢者が多いが神経を磨り減らすバス・トラックの大型車の長距離運転業務で高齢者を雇用するのは健康面でのリスクが大きい。給与・勤務条件面で若い人材が集まりにくく離職・転職も多い。

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高齢者雇用による運輸業界の自己リスク増加は、企業が人件費をできるだけケチりたいという金儲けの副作用であると同時に、年金がなかったり少なかったり貯金がなかったりする「貧困な高齢者の増加」の反映である。

老後の生活資金のために働かなければならない人は多いが、まだ万が一の時の事故被害が少ないタクシー業にしてほしいものではある。しかし、タクシーと比較すると給料が長距離バスだと倍に近くなるし、お客と直接やり取りするトラブルも長距離バスのほうが少ないので、一定の給料が必要な高齢者で『大型2種免許』を持っていればそちらに行きたくなるのは仕方がない面もあるかもしれない。

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