牛乳石鹸のCMに集まった賛否の意見:元気のない夫に指示する妻、父権の喪失と状況に流される人生か。

牛乳石鹸のCMが話題になっていた事さえ知らなかった。『牛乳石鹸の販促CM』としては買いたくならないので効果が薄いと思うが、『現代で失われた父権・父の存在感・男の生きがい』みたいなジェンダーのノスタルジーを匂わせるCMの造りではある。

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父親の目がぼんやりうつろだからうつ病ではないかと引用記事にあるが、そういったアンニュイな焦点のぼけた目線が俳優の新井浩文氏の味みたいな所がある。しかし、家庭か会社かで何か悩みを引きずっていて覇気を失ったような目線にも確かに見える、このCMのメインキャストには余り向いていなかったのかも。

会社の行きがけにごみ捨てをして、子供の誕生日にケーキとプレゼントを買ってという父親の行動が、自発的なものではなく妻からの指示に従うどこか機械的・うつ的で不満げな行動である事に違和感が生じるのか。子の誕生日に帰ってこないので妻から電話があるが、急ぎの用事・会話もないのに、なぜ一言もなく完全無視なのか…

関連動画で武田邦彦氏が『男はごみ捨てや買い出しをしても心からの生きがいを感じられないように遺伝的に規定されている生き物』という疑似科学論をぶってジェンダーバイアスで叩かれていたが、女性だって別にごみ捨てや買い出しに行っても心からの生きがいを感じられるはずはないわけで…『生活に必要な用事雑務』なだけだ。

ただ武田さんの語る古典的ジェンダー『一定以上の女性は働き者の夫から大切に愛されて十分な給料を全額渡されて子供を産み育てて、(外でフルタイムでバリバリ働くより)家庭を切り盛りするほうが幸せを感じやすい』というのは、少なくとも日本では専業主婦希望の若い女性も多いことから事実面では完全な間違いではない。

完全な間違いではないが、『収入のすべてを配偶者に頼るリスク・不自由』と『生涯保障に相当する十分な安定収入を機嫌よく全額渡してくれる男の絶対数の少なさ』もあるので、あくまで『一定以上の割合の女性(希望してかつ実現できる女性)』であって『大多数の女性』とまでは言えないだろう。可能であればの論ではある。

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