死後の世界や霊魂は存在するのか?:現代人にとっての『死・死後』の意味づけは心の救済につながるか?

現実が過酷で寿命が儚った昔は『死後の世界(天国・復活・浄土等)』や『因果応報(悪人は死後苦しむ)』は人の心の救済だったが、唯物論の科学主義は死を無意味化しやすい。

【夏はオカルト】死後の世界は本当に存在するのか 死にかけた祖母が三途の川を見た話

死後の世界が存在するのかしないのかは『今の自意識を持った自分と他人の間』では、客観的証拠に基づく答えはでない。死ねばあの世に生き、先に死んだ人と再会でき子孫を見守り、物語的・歴史的な意味が継続すると考える事が心の救いになるか、死ねば全て無になり何も残らないが良いとするか、生命観や意味解釈の差である。

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人間はAI(人工知能)に何を求めていくことになるのか?:ノーといわずに何でもやってくれるAIやロボットの需要

AI(人工知能)の究極形は『ノーと言わず何でもしてくれる万能サーバント』で『自己と他者の効率的代替』になるが、AI進歩で人の代替が増えると人に頼んで求める諸価値が揺らぐ。

恋愛指南、献立決め、宿題…「あなたがAI(人工知能)にやってほしいことは?」

人間とAI(人工知能)の決定的な違いは、現状では『自我意識・自由意思・自発的欲望(自己保存本能)の有無』とされるが、それらの自意識や自発性、死の恐怖がないために、AI(人工知能)は『(平均的な人の能力を超えながらも)権利なき万能処理システムのサーバント』として人間や社会のために使役されることになる。

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『なぜ金髪にするのか?』のインタビューと非日常性・装飾的な変化を求める心理

金髪までしなくても、少し明るめの髪色には『気持ちが軽くなる(意識が外向き・前向きに)』心理効果はあるとされる。派手な髪色・変わった髪型は『自己主張・承認欲求の強さ・気分転換』もあるだろう。

街で金髪の人に聞きました!「なぜ金髪なんですか?」

ファッションもヘアスタイルも、『同じ見た目やスタイルで大きく変えない人』と『細かく見た目やスタイルを変えたがる人』では、気質性格や生き方の違いもあるかもしれないが、金髪の人もずっと明るめの髪色にしやすいように、『大きく変えることは面倒』だ。自分の外観や印象に無頓着になりすぎるのも問題だが。

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映画『君の名は。』の感想

総合評価 95点/100点

2016年に大ヒットした新海誠監督の長編アニメーション映画ですが、『君の名は。』がようやくネットレンタル可能になったので見てみました。

予備知識なしで見たので、高校生の男女の体が入れ替わるドタバタした恋愛アニメという印象しかなかったのですが、実際に見てみると予想以上に写実的な映像が綺麗で、『時間軸のズレ』を伴って入れ替わった二人が、『彗星衝突による未来の運命』を変えていくという内容も完成度の高い作品でした。

都市や村落、電車、歩道橋、スマホなどの風景・道具が非常に写実的にリアルに描かれているので、現実世界の中でアニメの登場人物が活動しているような感覚で見ることができるのですが、背景やモノは写真を土台にしてアニメ調に加工したものなのでしょう。

過去のアニメ作品と比べると、最近のアニメ作品は背景・モノが写真ベースでリアルに描き込まれているものが多く、全体がいかにも作り物の漫画(アニメ)という感じではなく、リアリティーのあるアニメ世界の創出といった側面が強くなっています。さまざまな役柄やキャリアによって色のつく俳優よりも、アニメ映画のほうが『キャラクターのオリジナリティー・作品の一回性』を打ち出しやすいメリットもあります。

ある朝、目を覚ますと東京の四ツ谷で暮らす男子高校生・立花瀧(たちばなたき)は、岐阜県飛騨地方の山奥にある糸守町に住む女子高生・宮水三葉(みやみずみつは)になっていた。宮水三葉のほうは逆に立花瀧になっており、お互いに異性の身体になった自分に驚いて興奮したり恥ずかしがったりしながらも、『夢』だと思って現実の自分とは正反対の性別・環境で一日を過ごした。

そういった身体の入れ替わりが、週に2~3回の頻度で繰り返されるうちに、それまでただの『夢』だと思っていたことが、周囲の友人の反応や状況の変化から本当に実在する誰かと入れ替わっているのだと気づく。しかし、入れ替わっている間の記憶は曖昧ですぐに忘れてしまうため、二人はスマホのメモを交換日記のようにして使い、お互いが相手の体に入っている時に何をしたのかを書き残すことが習慣になっていった。

瀧になった三葉は共感・裁縫などの女子力を発揮して、バイト先の憧れの先輩・奥寺ミキとの関係を勝手に深め、スマホのメモに『明日は奥寺先輩とデートです』と書き残して瀧をあたふたとさせる。三葉になった瀧は宮水神社の神事に巫女として参加し、口噛み酒を作って山上にある宮水神社の御神体に奉納したが、この口噛み酒が後で『時間軸のズレ』を移動させて二人を引き合わせる媒体になっている。

繰り返し入れ替わりを体験するうちに、立花瀧は宮水三葉に惹かれ、宮水三葉は立花瀧に惹かれるようになっていき、お互いにメモに残していた電話番号に電話をかけて直接話そうとするが、『電波がつながらない場所にいるか、電源が…』のアナウンスが繰り返されてどうしてもつながらない。奥寺先輩はデート中に以前の瀧(三葉が入っていた時の瀧)と全く様子や反応が違っていることに気づき、『他に好きな人がいるんでしょう』とズバリ指摘してくる。

頻繁に起こっていた不思議な入れ替わりの現象が突然起こらなくなり、お互いに対する記憶も薄れていく中、瀧は何とか三葉のいた飛騨地方の糸守の風景のスケッチを描きあげ、それを便りにして飛騨にいる三葉に直接会おうと計画する。いつもと違って落ち着かない瀧の様子を心配していた友人・藤井司とバイト先の先輩・奥寺ミキも、飛騨の探索行に同行することになる。

山のスケッチを手にして飛騨の人々にどこの山・村なのかを聞き込みするが、なかなか知っている人には出会わない。もう諦めようと思って立ち寄ったラーメン屋で、偶然スケッチを目にした女将さんが『その絵、糸守でしょう。よく描けている』と声をかけてくれ、スケッチに描かれている山の風景が、3年前にティアマト彗星の破片直撃で消滅した『糸守町』であることを知らされて愕然とさせられる。

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