「インターネット」カテゴリーアーカイブ

フジテレビの『ほこ×たて』のやらせ問題・内部告発が意味するもの:事実を隠せない時代の到来

攻めと守りの立場になる『二つの技能・商品・能力』などをぶつけ合って、どちらが優れているかを競い合うフジテレビの人気番組『ほこ×たて』でやらせが発覚した。『スナイパーVSラジコンカー』で、実際は日本企業のラジコンボートが3連勝してあっさり買ったのだが、それでは番組の構成上面白くないというので、ラジコンヘリやラジコンカーとスナイパーとの対決も見せられるように順番を入れ替えて撮り直し、日本企業側は2連敗の後に3連勝して勝ったという内容になった。

また実際に行われたスナイパー軍団のルール違反(初めの1分間はラジコンに弾を当ててはいけないというルールの違反)には触れられず、最初の2戦は実力勝負でラジコンが負けたという設定にされたのが、日本企業(ヨコモ)の担当者は気に入らなかったようだ。

ヨコモの担当者が自社のサイトに、『あまりにも曲げられて作られていたため、編集責任者に対し「反則した相手が負けになるのであればまだ納得出来ますが、もしこの内容で放送された際には、事実を発表します」と忠告し、内容を偽って作らないよう要請していたのですが、非常に残念な事に偽造編集したものが放送されてしまったのです』というコメントを出して、『過去に撮影された鷹・サルとラジコンとの対決にも不正ややらせがあった』という告発をしたために騒動が広がりを見せることになった。

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スマートフォンの利用時間と読書時間:本を読む習慣は善き習慣なのか?

スマートフォンを使い始めてから“紙の書籍+電子ブック”で読書量は増えたが、スマホで使っている“honto”や“Kindle”の電子ブックは、クレジットカードを登録しているとその場で即座にダウンロードして読み始められるため、実際の書店で本を買うよりも多くの冊数をついつい買ってしまいやすい誘惑がある。

一日に自由に使える時間は有限なのだから、スマホを『電子ブックの読書以外の用途』にも使えば読書時間が減りやすいなどというのは、自然法則のように明らかに予測できる結果だとしか思えないのだが、『読書』というのは実学・知識習得の勉強のためでもなければ、良くも悪くも物語や文章、世界観を楽しむという趣味の一環に過ぎない。

スマホ使うほど読書時間減る傾向…読売世論調査

読書家で『読書する習慣が社会的・知的に良い習慣とされているから読むのだ』という人は恐らくいないのであって、『読みたい本・増やしたい知識(雑学)・味わいたい物語・知りたい対象がそこにあるから読まずにはいられない』というだけである。

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マナーと法律の境界線が消える。“他者からの迷惑”に我慢ならないが対話ができないという時代の環境管理型権力

戦後の無秩序な焼野原から高度経済成長期の工業の隆盛を経て、サービス産業・知識情報産業・人材管理が発達した現代に至ったが、私たちは時代が進むにつれて清潔(潔癖)になり異物・暴力に過敏になり、『自分ではない何者か』に自分と家族の権利や時間、健康、財産などをわずかでも傷つけられることに我慢できなくなり、『伝統共同体(ゲマインシャフト)の絆』はほぼ崩壊してお互い様の精神も薄れてしまった。

一切の汚れや乱れ、リスクを許容できないほどの『予定調和的な約束された路線』を求めるようになってしまった先進国の人間は、逆説的に『生存・生殖へのハングリー精神』を喪失して、『約束された人並みの安定した路線』を歩むための参加資格を得られないように感じるというだけ(経済社会・企業雇用・公務員職などのキャリアの正統性から逸れたと感じるだけで)でもう私の人生はダメなのだと自殺してしまうような脆弱なメンタリティが世を覆っている。

地面にわずかでも落とした食べ物は汚いから捨てなければならないし、パッケージが少しでも破損した商品は不良品だとクレームが来て、わずかでも形が変形したり黒ずんだ野菜・果物は市場で安く買いたたかれて、新品の洋服が少し泥や食品で汚れようものならヒステリックな悲鳴を上げなければならない、外のトイレは完全に清掃された新品に近い洋式トイレでないと安心して用も足せない(和式便器は子供にはもう使い方もわからない)、子供達の目線からすべての性・暴力の表現は消し去られなければならない……もはや自然の大地や生きるための欲望に根差した人間のバイタリティを発揮できる余地・足場(共同性・本能性の立脚点)が『快適でクリーンな現代社会』から失われようとしているように見える。

そろそろ歩きタバコを「法律」で規制すべきか?

無論、WHOや欧米先進国が主導する国際的な禁煙運動・健康増進運動の流れには抗い難いし、健康被害や煙害、火事の原因、保険負担増となるタバコを規制すべきとする疫学的・科学的・心情的(非喫煙者の心情)な『正論』にまともに反論することも難しい。

自由主義社会では『愚行権,不健康な飲食物や嗜好品を摂取する権利(食事と運動の健康的なライフスタイルを実践しない権利)』はあるはずだが、タバコは『有形・有害の煙』を風で周囲に飛散させたり『危険な火』を用いるので、『本人自身がすべてのリスクを引き受ける嗜好品』とするには喫煙者だけが集まる隔離型の喫煙専用スペースを準備しなければいけないという論理に行きつく。

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『スマホ・タブレットの増加』と『パソコンの減少』は必然の傾向だが、

スマートフォンやタブレットは飽くまで『コンシューマーサイドのデバイス』なので、サイトやSNSを閲覧したりアプリケーション(各種エンターテイメント)を利用したり動画(映像コンテンツ)を楽しんだりするのには向いているが、文章・サイト作成・プログラムなどの『アウトプット』には限界がある。

国内PC出荷12・5%減…5四半期連続の減少

調査会社IDCジャパンが発表した2013年4~6月の国内パソコン出荷台数は、前年同期比12・5%減の337万台だった。前年同期を下回るのは、5四半期連続で減少幅も広がった。

需要が拡大しているスマートフォン(高機能携帯電話)やタブレット端末に押され、個人向けパソコンが29・4%減の146万台と大幅に減ったことが響いた。

法人向けは7・2%増の191万台だった。米マイクロソフトの基本ソフト「ウィンドウズXP」のサポート終了を来年春に控え、買い替え需要が堅調だった。

ウェブユーザーの大多数は本格的なコンテンツを作成するわけではない“ライトユーザー(コンテンツの閲覧・短文や写真の投稿が主体のユーザー)”なので、今後もスマホやタブレットの比率が高まっていくだろう。

一方で、屋外でネットにつなぐモバイルを多用するユーザーでなければ、ノートでもデスクトップ(一体型)でもパソコンのほうが『すべてのニーズ』を一台で担える利点があり、『長文投稿・画像や動画の編集・アップロード』の多い人は物理キーボードや大型ディスプレイがあったほうが良い。

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中高生のネット依存症とライフスタイルの変化2:もう一つの世界としてのネットの使い方と新時代の想像

若い人が自分の将来において、インターネットを長時間使えるようなライフスタイルを無理なく導入したいのであれば、『ウェブでの学習・仕事・セルフマーケティング・稼働(収益)の機会』を意識しながら、遊びや娯楽、おしゃべりばかりではない『効果的なウェブの使い方(ウェブを使うことが自分にとって何らかの実際的な仕事・利益・楽しい関係につながるような使い方)』を身につけることが必要になるかもしれない。

中高生のネット依存症とライフスタイルの変化1:ネット依存症が起こりやすい要因とその問題点

物理的世界(従来のリアル世界)における『身体性』を軸にした仕事や運動、勉強、娯楽、人間関係、コミュニケーション、経済行為も大切であるが、それと同時にネット世界が『もう一つのリアル世界』としての存在感・時間消費率を高めてくるのは必然の流れであり、『従来のリアル世界』と『もう一つのリアル世界』を各人がどのように有効に使い分けるか、毎日を楽しめる知的・情緒的・持続的なライフスタイルを作り上げられるかが近未来の課題になる。

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中高生のネット依存症とライフスタイルの変化1:ネット依存症が起こりやすい要因とその問題点

ネット依存の中高生、国内に51万人 厚労省推計

いわゆる『ネット依存症』に陥る大きな要因は、以下の4点に集約できる。

1.他者とコミュニケーションするためのコストがゼロに近く、365日24時間いつでも話そうと思えば誰かと話せる(寝ている友人などから即時の返信はなくてもメッセージだけを送ったりできる)。

2.ウェブ上の情報量と娯楽のバリエーションは、個人から見て実質的にほぼ『無限』であり、『環境・相手・サイト・ゲーム』を変えれば飽きるということがなく終わりなく続けられる。

3.『朝・昼・夜』といった時間区分や『営業時間』といった時間制限が存在しないため、24時間いつでも情報・他者・サービス・ゲームにアクセスできる。『ウェブの時間感覚(区切りのない無時間性)』が『現実社会の常識的な時間感覚(学校・会社・役所・お店の時間など)』からズレやすい。

4.現実社会と比較すると『お金』『人間関係』『社会規範』に縛られにくい環境であるため、『お金が足りないからやめる』とか『親・先生・警察などがもう遅いから帰れ(明日の学校があるからもうやめろ)と注意される』というようなウェブ時間を抑制する動機づけが働きにくい。

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