「企業」タグアーカイブ

残業220時間で固定残業代わずか7万円のしゃぶしゃぶ店を提訴:明らかな労働基準法違反

飲食は人件費節約で、店長格を『営業時間の全時間帯(ワンマン・前準備・後片付け・精算含む)』にわたり配置する悪慣習もあったが、超長時間労働は過去に何度も死者(自殺・過労死)を出している。

「残業220時間で7万円は不当」しゃぶしゃぶ店を提訴

非ブラック企業に転換した飲食事業者は、バイトの中から信頼できる責任者を育成するなどして、複数人の管理体制を構築することで、正社員・店長格の実労働時間を法定労働時間である『8時間+α』の範疇に抑えている。チェーンでは朝6時~深夜2時のような営業時間も多いがその全時間帯に出勤する人員を出してはいけない。

営業時間が24時間に近いような店舗では、店長や店長同等の仕事内容をこなせる人員を複数名育成し配置しておくことが必要であり、特別に高度な経験・スキルが必要なわけではないから、バイトの中からシフト管理(対人調整)ができて責任感の強い人材を選び、時給割増の対応で配置しておくべきだろう。

続きを読む 残業220時間で固定残業代わずか7万円のしゃぶしゃぶ店を提訴:明らかな労働基準法違反

mixiが“モンスターストライク”の大ヒットで、純利益5.5倍の159億円という驚異的決算

mixiの四半期決算はパズドラ超えの『モンスターストライクの快進撃』を裏づけるものとなった。SNSのmixiは今やモンスト頼みのゲームの会社か。売上高3.9倍の500億円、営業利益5.2倍の243億円、純利益5.5倍の159億円という驚異的好決算だがゲームの不安定さの懸念で株価はかなり抑えられ気味(逆に下落傾向を示したりする時も多い)である。

モンストはソーシャルゲーム市場で宝くじを引いたようなものだが、スマホのタッチパネル特性を活用した『引っ張って敵・味方にぶつけるというアイデア』はありそうでなかった。『4人協力の共闘プレイ+ぶつかって跳ね返る角度・止まる場所の一定の予見可能性+ダメージバリア・地雷等の属性』で飽きにくい仕組みを作った。

続きを読む mixiが“モンスターストライク”の大ヒットで、純利益5.5倍の159億円という驚異的決算

Googleが持ち株会社Alphabetを創設・Googleの新CEOにサンダー・ピチャイ氏が就任

Googleが組織再編の構造改革で、持株会社Alphabetを創設。このニュースだけで株価が7%上昇した。Google主力の検索広告事業は広大な市場を独占しているが、近年はGoogleがインデックスできないSNSの普及が進み、成長率は鈍化傾向にあった。組織効率とコスト削減で利益率は維持しているが。

Googleという世界トップレベルのブランド力を持つ名前が銘柄から消え、全Google株は自動的にAlphabet株に変換、GoogleはAlphabetの資本・経営の傘下に組み入れられる。新会社創設の理由は、『検索以外の新規事業による長期的視野での次の成長力の開発』だろうが、現状に安住しない姿勢。

株価上昇の分析記事では、持株会社を設立することで、Googleの稼ぎ頭である検索事業以外の事業の現在の状態と将来の可能性が見えやすくなるからとされている。『新規・研究開発などベンチャー性(ハイリスク)の高い事業』の業務進捗と財務の独立性が高まり、『事業別財務情報の開示』で財務・業績の透明性が高まる。

続きを読む Googleが持ち株会社Alphabetを創設・Googleの新CEOにサンダー・ピチャイ氏が就任

“最低賃金・生活保護・企業経営”と労働モチベーション:日本の最低賃金はなぜ低いのか?

日本の最低賃金は、アメリカ、イギリス、カナダ、フランス、ドイツなど欧米先進国と比較すると極めて低く、OECD(経済協力開発機構)加盟の先進国でも最低水準である。国連からも日本の最低賃金は、『最低生活保障給』の基準を満たさないという指摘を受けている。

EU先進国の最低賃金(時給)は低くても1000~1200円以上(米国は州によって800~900円程度もあるが)であり、どんなルーティンの単純労働でも、人を雇って働かせるためには『最低生活保障水準(週5の8時間労働で何とか自立的生活のできる水準の給与)』を満たすレベルの給与を支払わなければならないという暗黙のコンセンサスがある。

労働市場の競争原理と企業の人事管理に任せてきたアメリカでさえ、時給をあまりに低く押さえ込むと労働意欲を大きく阻害して、働くよりも生活保護(フードスタンプ受給)を受けたほうがマシという人が増えるとして、最低賃金の大幅な引き上げ目標が設定され始めた。

アルバイトやパートの人たちが、最低生活保障水準を満たすような賃上げを求める社会運動(米国の行き過ぎた格差社会・極端なCEOの高額報酬・金融資本主義の労働軽視などの反対運動)も活発化している。

続きを読む “最低賃金・生活保護・企業経営”と労働モチベーション:日本の最低賃金はなぜ低いのか?

モンスターストライク一本で売上1000億円を越え、経営危機をあっさり脱したmixiだが…一本足のリスクあり

モンストというソーシャルゲームの怪物効果でmixiが復活した。株価は一時の勢いを無くし天井感があるが、16年3月期も売上1850億、営業利益800億でまだ成長できるとは恐ろしい……。

スマホのゲーム市場はそれ以前と構造も層も違うのだろう。

たった一本のゲームのヒットがあれば、その微調整とキャラのコラボだけで1000億円以上の売上が複数年度にわたって上がるのは、ネット企業でも異常な高利益体質だ。まぁ、SNSで利益を出せなかった反動もある。逆にモンスト一本足打法の危うさが今後出るが、10年以上はmixiを存続させるキャッシュは貯まりそう……。

続きを読む モンスターストライク一本で売上1000億円を越え、経営危機をあっさり脱したmixiだが…一本足のリスクあり

『中高年ニート』はなぜ増えるのか?:形式的な高学歴化・現代社会の情報や娯楽氾濫・やり直し困難による無業期間の遷延

成人男性が社会保険や賞与のある正規雇用の定職に就くことは、日雇い・専門職・自営などの例外領域を除いて、かつては半ば常識であると同時に成人男性の社会規範としても機能していた。

一方で、大半の人が正社員として働いて家族を養っていたような時代は、現代と比べれば『正社員としての就職・継続勤務のハードル』はかなり低く、地縁・血縁のコネによる行き場のない失業者(親族)の会社・公的機関(役場・農協など)への押し込みなども頻繁に行われていた。

■40過ぎても働かない「中高年ニート」なぜ増える? 豊かな時代の「合理的選択」なのか

昔は、中年に近づいて独身であれば周囲の親族・関係者などが無理やりにでも縁談を進めて結婚まで持っていったように、かつては親族にどうやっても自力で仕事を見つけられない失業者がいれば、親族・関係者のツテを辿ってどこかに職場を見繕ってそこで頑張るようにハッパを掛けたり(働き先にも血縁・関係者がいて能力が若干低くてもフォローされたり)もしていた。

一定以上の規模の会社では、“家族的経営・終身雇用慣行・社内コミュニティ”の中で『定年までの長期勤務』を常識とする考え方を企業も周囲もバックアップしていた(本人が辞めようとしても必死に遺留したり一時的に必要な資金を貸し付けて助けたりする等)こともある。

現在の30代後半~40代くらいの『中高年ニート』がなぜ増大するのかの理由については、まず『就職氷河期(ロストジェネレーション)・新卒一括採用からの年次別キャリア』を指摘することができるが、それ以上に影響を与えているのは『全般的な高学歴化による求職者の労働観・道徳観の意識変容や仕事の選り好み(職業階層の刷り込み)』だろう。

職業や仕事には、概ね以下の5つの側面を指摘することができ、最高に仕事が充実していてやり甲斐に満ちている人は、これら5つの側面をバランス良くクリアしていると解釈することができる。

1.生計(生活費)を稼ぐ手段

2.学歴や資格、能力(努力)に相応した社会的スクリーニングとその納得感。

3.自分のやりたいことや社会・他者に貢献できている感覚と関連した自己実現。

4.勤労の義務や世間体(人並みの生き方)を満たす対社会・対知人の自意識。

5.高所得・社会的地位・名誉・影響力など仕事を通じて得られる実利や俗欲。

現在の50代後半、60代以上くらいの世代になると、生まれた家庭が貧しいためにそこそこ勉強ができても全く学歴を得られなかったり、義務教育を終わるや否やうんもすんもなく強制的に出稼ぎのような形で都市部に集団就職させられたり(親元にお金を送らせられたり)した人が多く、高学歴者・専門職を除けば、職業・仕事の始点と基本は1の『生きるためのお金を稼ぐこと』に傾いていた。

続きを読む 『中高年ニート』はなぜ増えるのか?:形式的な高学歴化・現代社会の情報や娯楽氾濫・やり直し困難による無業期間の遷延