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映画『るろうに剣心 伝説の最期編』の感想

87点/100点

前作『るろうに剣心 京都大火編』を見て続きが見たくなった人なら、間違いなく楽しめる作品になっている。

緋村剣心(佐藤健)と志々雄真実(藤原竜也)の最終決戦で、映画の大半は剣と剣の激しい戦いだが、明治新政府から『人斬り』として利用され切り捨てられた共通体験を持つ剣心と真実の対照的な信念がぶつかり合う。

新政府に裏切られてその身を灼熱の炎で焼かれ、全身に大火傷を負った志々雄真実は、強い者が生き弱い者が死ぬという『弱肉強食の信念』を掲げ、残忍な戦闘と支配に明け暮れる復讐の鬼と化した。

志々雄の側近である天才剣士・瀬田宗次郎(神木隆之介)は、抑圧していた攻撃性を開放して、子供時代に自分を虐待していた親戚全員を殺害して以降、志々雄が説く弱肉強食の信念に心酔している。

志々雄は大火傷で全身の汗腺を失い、体温調節が困難な特異体質になったが、体内に蓄積した膨大な熱量を外部に放出することによって、燃え盛る炎をまとった剣撃を繰り出すことが可能になった。残酷無比な気質と人間離れした身体能力、狂気的な暴力・破壊への没頭によって、殆ど無敵の剣士になっている。

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動物の権利と人間のエゴイズム:加速するセンシティブな倫理観

20世紀後半から倫理学には『動物の権利(アニマル・ライツ)』という分野が設けられたが、動物の生命や感覚にも『人になぞらえられるべき一定の価値』があるという倫理観・判断基準は比較的新しいものである。

人間は動物を家畜化して食肉にしたり、医学・科学の発展のために実験動物として利用したり、学術・鑑賞のために動物園の檻(研究室の飼育環境)に閉じ込めたり、愛玩するために品種改良したり飼育したりする。

その意味では、人間は動物を人間のための『価値ある資源』として利用する存在であり、『動物虐待』と『必然的・不可避な利用(食用・鑑賞用・飼育用・実験用など)』との差違もまた人間的な感情や感覚の受け取り方に由来することになるだろう。

一方的に殺される側、利用される側の動物からすれば、『人間の側の理由・事情・必要性』などどうでもいいことではあるが、動物は人間との知能・実力(戦闘能力)の差によってどうしても『一切殺されない・利用されない存在』になることは現実的に不可能である。

映画『猿の惑星』のシーザーのように、人間と同等の知能と意思疎通能力・戦闘能力・道具製作を持った『新たな種(人類の天敵の種)』でも出現しない限り、地球上において『食肉・飼育をはじめとする人が必要とする動物資源の利用』を実力行使でやめさせられる種は不在だからである。仮に、進化した類人猿や宇宙から飛来した異星人に、人類が取って代わられたとしても、次は『人類に代わった優性種』が他の動物資源を利用しないという保証は何らないが。

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国会の『一強多弱』と自民党中心の長期政権の兆し:小沢一郎に対抗軸が作れるかは疑問だが…

小沢一郎は野党を大同団結させて与党を切り崩す『政局の名手』で、自民党と社会党の擬似二大政党制(イデオロギー対立図式)の『55年体制』を崩壊させた功績はあるが、結局、91年のソ連崩壊という『米ソ冷戦構造の終結』の余波を受けてのものでもあった。

小沢一郎氏、埋没回避に躍起―野党結集に意欲

現代でも右翼や左翼といった分類は無いわけではないが、安倍晋三首相率いる自民党のような“復古主義(改憲)・国家主義(安保と軍事重視)・自由競争原理・人権制約”の立場を『右翼』とし、それに反対する“進歩主義(護憲)・個人主義(自由と対話重視)・市場原理抑制・人権尊重”の立場を『左翼』としているに過ぎない。

自民党的な政策・価値観・思想性の対立軸として機能する政党が殆どなくなり、議席を大幅に減らした民主党もまた、自民党に近接する価値観や政治思想を持っている議員は少なくなく、政治が一つの流れに収斂しようとする『一強多弱のフレームワーク』はかなり強固である。

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千葉県市原市東国吉の市道で発生した、50~60代の男が中学生女子を車に押し込もうとした事件。

わいせつ・人身売買などが目的の逮捕監禁致傷事件か。対向車の人の機転と積極的な行動で、連れ去られることを防ぐ事ができたが、犯人が逮捕されていない状況では地域住民の不安・心配は大きいだろう。

<逮捕監禁致傷>中2女子車に押し込め…対向車運転手が救出

朝7時という既に明るい時間帯に、通学途中の中学生を路上で無理矢理押し込もうとした犯行形態を見ると、『衝動的・場当たり的で無計画な印象』が強いのだが、拘束するためのビニールテープや脅す刃物を準備していて『一定以上の計画性・余罪の可能性』が想定される事案でもある。実年齢と精神年齢の乖離が著しい犯人像。

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栃木県で少年が運転する車が用水路に転落、少年少女6人が死傷する事故に。

軽自動車の定員をオーバーする交通法規の違反をしていたようだが『免許取立て+調子に乗って飛ばす(違反する)タイプ+無目的な集団でのドライブ』の条件が揃っている時は同乗しないほうが事故を避けられる。

用水路に軽乗用車が転落=少年少女6人が死傷―栃木

免許取り立ての若者がみんな運転が危ないとか事故を起こしやすいわけではないが、『運転者の性格・運転の癖・価値観』などの総合として、『乗っていて安心できるか不安になるかの判断』は割と簡単につく。走行中の事故を起こす人は何度も繰り返し起こすが、『安全運転のポイント・注意力や交通ルール』の軽視がある。

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高円宮典子様と出雲国造家の千家国麿さんとの婚約が内定し記者会見を行う。

高円宮典子様と千家国麿さんの結婚は『古事記・日本書紀』の神話時代まで遡る血縁関係や国譲りが引き合いに出される事が予想される結婚だが、皇室と寺社は日本の家柄・格式・信仰の物語的な源泉である。

<高円宮家>次女典子さま婚約内定 記者会見でのやり取り

天皇・皇室・寺社格式・記紀の神話にまったく興味がない日本人も増えてはいるだろうが、それでも科学的世界観や世俗的価値観が普及した現代の日本において、『神々の血統の末裔としての家柄とその権威』が単純なフィクション(作り話)以上の共同幻想として未だに機能していることは驚嘆すべき事かもしれない。

天皇や皇族に『日本人らしさの純粋な模範的な原型(実際は明治維新以降に創られた伝統・格式・道徳・行事も多いが)』を見出したいとする日本国民は現在でも相当な割合に上り、庶民を畏敬させる貴種崇拝願望はなお強い。米を特別視する瑞穂の国の伝統も、天皇家の大嘗祭・新嘗祭の祭祀と切り離しては考えにくかったりする。

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