小保方晴子氏のSTAP細胞問題とその他の研究者にも波及する『論文の添付画像の使い回し』の疑惑

理系の研究論文に添付される『写真・画像の真実性(直接の証拠能力)』は殆ど検証されてこなかったわけで、小保方晴子氏のSTAP細胞の話題性の大きさから『アカデミズム内部の暗黙の了解』が崩れてきている。

<STAP論文>理研調査委にまた疑義 研究者3人

調査委員の研究者だけに限らず、『論文内に添付された写真・画像』は基本的に参考資料の位置づけで、極論すれば実際の成果や現象に近いイメージとしてアカデミズムでは了解されていた為、使い回しは問題視されにくかった。小保方論文以降は『厳密な直接・即時の証拠能力(現物そのものの写真)』が画像に問われているが。

生物学・生命科学というのは特に『写真・画像の真実性(直接・リアルタイムの証拠能力)』が問われやすい分野とも言えるが、工学・物理学の技術理論を応用した成果物(各種の実験・製品化)に関する論文では『改良前の機械・現象の写真』を『改良後のイメージ』として使いまわす事は珍しい事ではなかったのでは。

研究者の論文に対し一般常識の正論からの疑義・不正告発が行われやすくなった事は『学問・科学の一般化』でもあり『専門家共同体の囲い込み・秘密主義』が通用しにくくなったアカデミズムの民主化として評価できる部分がある。仮説のロジックと条件設定、再現実験の結果だけが全て(画像等は末節)とは言えなくなった。

各研究分野において過去の研究成果や歴史的な流れ、現代の研究課題を書く『イントロダクション・アブストラクション』の説明部分に関しても、これまでは引用と剽窃(盗用)の区分も曖昧に済まされてたが、内容的には同一のテンプレな説明であってもオリジナルの文を自分で書くべきという著作権法に依拠した規範も強まった。