マクドナルドの異物混入騒動から考えたこと:グローバル経済環境における食の安全性と衛生管理

日本マクドナルドの異物混入騒動が収まらない。経営陣の責任転嫁的な記者会見も火に油を注いだ。元々ジャンクフード業界に対しては、食の健康・安全の立場から非常に強い反感や否定もあり、衛生管理の危険を感じる異物混入は『痛烈なバッシング機会』を提供する。マスメディアがどこまで時間を取って放送するかも影響する。

朝のニュースに昼のワイドショー、マスメディアは日本マクドナルドの食の衛生安全管理体制の問題や原因究明の遅れを強い口調で非難したが、株式市場の反応はマクドナルドを暴落させるほどではなく抑え気味な反応になった。ブランドイメージの連続的な毀損と衛生管理の悪印象で、中長期的な売上は落ち込む恐れもあるだろう。

サンデーへのプラスチック片の混入は『アイス製造機械の部品の割れによる欠落・混入』、ナゲットへのビニール片の混入は『食肉製造過程で使用した青色ビニールの欠片の混入・チェック時の見落とし』という結論が概ね出ているが、最もイメージの悪い『人の歯』については混入の場所も経緯も故意か否かも明らかになってない。

消費期限切れの鶏肉を使用したり、不衛生な地面に落ちた鶏肉を使っていた『中国産の鶏肉』の輸入をやめ、『タイ産の鶏肉』に変更したがその矢先の異物混入のダメージは大きい。タイ国内における加工の過程で歯が混入したのか、日本に入ってきてから混入したのかもはっきりしないようだが、偶然に歯が落ちるとも考えにくい。

グローバル経済における『商品の品質の安全性・輸送経路の安全性・衛生管理の確実性』の盲点のようなものも感じるが、日本でも中国でも工場の労働者による異物混入事件はあったが、『製造現場の労働者の不満・ストレス』のようなものが意図的な異物混入を招く危険性もあるだろう。

マクドナルド側の記者会見では、人の歯の混入過程の可能性の一つとして『タイ国内(日本に入ってから)の製造現場や輸送過程での混入』以外に『消費者の脆くなっていた歯が折れて混入した可能性』を示唆して、責任転嫁だとして非難された。歯は油で揚げられていたとの情報もあり、事実なら購入者の歯の可能性は低くなるが。

髪の毛やビニール、ホコリレベルの異物混入は、外食産業のお店では多く発生していて、現場レベルの謝罪・対応で処理されてきたと思うが、今回のマクドナルドの歯や少し前のペヤングのゴキブリは『混入した物・生物の不衛生なイメージ』から騒動は非常に大きくなった。ネット社会の影響で消費者個人の情報発信力も上がった。