東京都知事選で小池百合子元防衛省が出馬,共産党の藤野保史政策委員長の『防衛費は人殺し予算』の失言問題

自民党都連との調整で小池百合子と桜井俊のいずれかに一本化するとしたら、出馬自体に消極的な桜井氏が小池氏を推して辞退する可能性も高い。しかし、小池百合子が自民党都議連に何の報告もせずに、唐突に出馬宣言をしたために、石原伸晃氏らは不快感を隠せず、自民党は小池氏を公認しない流れになっている。

自民としては官僚の桜井氏の方が政治家よりも不祥事回避の安全牌に見えるが、桜井氏は未だ『家族に迷惑がかかる』という理由で自民党からの出馬の説得には応じない構えのようである。

<都知事選>小池百合子元防衛相が出馬表明 (毎日新聞 – 06月29日 11:27)

桜井俊氏は総務省事務次官のキャリアで行政能力の高さも期待されるが、それ以上に『嵐』の櫻井翔の父親というネームバリューが選挙では効くだろう。桜井俊氏本人は嫌かもしれないが、世間一般的には『エリート官僚なのに人気アイドルの父親・顔も似ている』という固さと親しみとのバランスが集票力・安心感につながる。

小池百合子氏は自分で手を挙げていてそのやる気は評価できるが、仮に桜井俊氏が密かに『都知事になっても良い』という思いを持っている場合には、日本人は『自薦よりも大勢に推挙されてやむを得ずに立ち上がる構図』が好きなので、桜井俊氏が優勢となるか。小池百合子という人は政界で勝ち馬に乗り続けてきた嗅覚はあるが。

小池百合子氏の政治家のキャリアは、小沢一郎が自民党を離党した政界再編の政局に乗った事に始まる。細川護煕の日本新党で初当選、新進党・自由党と小沢一郎の側近としてその地位を固め、小沢に陰りが見えた2000年の自由党分裂後、勢いを増す自民党(小泉・安倍政権)に移り、生活の党での小沢の凋落の巻き添えを避けた。

○共産党は『格差縮小・最低賃金引き上げ・労働条件の適正化・貧困対策』等に集中した方が議席を増やせると思うが、『共産主義・自衛隊否定・大企業敵視・財源無視の非現実路線』を突き進めば民意は得にくい。

<共産>「人殺し予算」藤野氏、政策委員長を引責辞任

共産党の藤野保史政策委員長の『防衛費は人殺し予算』は、戦後日本の自衛隊の歩みを鑑みれば『明確な過ち』だ。原則論からすれば軍隊が世界になくて誰も武器を取らなければ戦争はないと言えるが、現実として『武装した軍隊・強力な近代兵器』が存在し『人間・国家の欲望』がある以上、完全な非武装は困難である。

藤野氏の言わんとする所は『防衛費・自衛隊の予算拡大の抑制』と『社会福祉・育児支援・教育費等への付け替え』だと思うが、自衛隊否定のイデオロギーが先走り失言を招いた。集団的自衛権の行使容認や日米同盟の双務性の深化によって防衛予算は増えやすくなり、最小限度の防衛費・装備のラインも上がるだろう。

日本の自衛隊は大地震・洪水・土砂災害・遭難などに緊急対応して人命救助・捜索活動に当たる『災害救助隊・人道支援部隊』として着実に実績を積み重ねており、法の支配・文民統制・国民尊重から外れた行動を取っていない。特に戦後・自衛隊は『軍事・戦闘行為』で銃器・爆弾・刺突を用いて人を殺害した例はないとされる。

スポンサーリンク