共謀罪の対象となる犯罪類型は300前後に。共謀罪の目的と運用についての感想

共謀罪が拡大解釈になるかは『運用問題』だが、テロ・殺人・強盗・誘拐など重大組織犯罪を事前抑止する為の法律なら、一般の日常生活や集会・デモ・言論の範囲では構成要件を満たさない文書を盛るべきだ。

<共謀罪>対象半減へ…犯罪300前後に 政府、公明に配慮

『共謀』と『組織団体』の定義が曖昧化しやすいのも問題だが、共謀罪では特定の犯罪を実行しようという具体的かつ現実的な合意をすることを『共謀』と定義している。原則では『組織的な犯罪集団の構成員+重大な犯罪の計画・合意にのみ適用される』もので、『合法的な労働争議・デモ・市民運動・社会運動は除外』ではある。

国際組織犯罪防止条約締結の為の共謀罪は、治安維持法のように『国内の反体制・反政府・反企業(反資本)の合法的な抗議活動・社会運動』を事前に封じるためのものではなく、その対象になるのは『犯罪・テロを目的として集まった組織と合意』で、組織犯罪処罰法の対象が実質的に暴力団に限定されたのと類似した構造は持つ。

共謀罪の対象となる刑法上の犯罪を大量に列挙して、一般人(個人のその場の集まり)にも簡単に捜査・逮捕のリスクが生じるかのような報道の仕方にも問題があるが、運用上の拡大適用の恐れはあっても基本は『組織的な重大犯罪・テロ行為の共謀(メンバーの具体的な犯罪実行の合意)』を対象に事前抑止しようとするものだろう。

共謀罪の拡大適用の恐れはゼロではないが、労働争議や市民運動、政治的言論がこの法律で摘発されることはないと思う。日本の公安警察は『組織犯罪関与の被疑者』を別件逮捕による身柄拘束で、組織との関連を捜査してきたが、実際の共謀罪運用は別件・微罪を共謀罪の正当な嫌疑に置き換えての拘束になるのでは。

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