映画『ホーンズ 容疑者と告発の角』の感想

総合評価 86点/100点

『ハリー・ポッター』シリーズのダニエル・ラドクリフが主演を務める異色の怪奇ファンタジーだが、ラドクリフの恋人が殺害された事件の謎解きミステリーとして面白い映画だった。

見ると人間の本音・欲望・秘密を引き出してしまう不思議な『角(ホーン)』が生えてくるというアイデアは突飛だが、この角の効果の映像化によって、『隠し事ができない我慢ができない人間の動物性・愚劣さ・秩序崩壊』のシュールな場面を楽しむことができる。

角の切断をイグ(ダニエル・ラドクリフ)に依頼された外科医が懇意の看護師とファックをし始めたり、傷心のイグと寝たグレンナが突然異常な食欲を見せてねじこむようにドーナツを次々に口に詰め込み始めたり、以前から恋心を抱いていて相棒になれたことを喜んでいた男性警官二人が自己抑制できずに同性愛の行為を始めたりする。社会的・倫理的・常識的に抑制すべき行動や欲求、発言(暴言)をイグの『角』を前にすると抑制することが不可能になってしまうのである。

幼馴染みの恋人メリンにプロポーズする予定だった夜、イグは何も理由を告げられないまま別れを切り出される。納得できないイグは激昂して、レストランを飛び出し独りで車を走らせる。車中で浴びるように酒を飲み酔いつぶれてそのまま寝てしまうが、翌朝目を覚ますとメリンが何者かに殺されていたことを知る。

レストランのウェイトレスのグレンナが、隠し事ができないイグの『角』の力によって、自分が有名人になりたいがために『イグがメリンを強引に車に乗せて連れ去ったという嘘の証言をしたこと』を告白する。

イグは恋人殺害の容疑者として犯人扱いされており、プロポーズを断られた腹いせに恋人を殺したと決めつけられて、マスメディアから集中攻撃を受けていた。そういった厳しい状況にある時に、突然『角』が生えてきて、自分を取り巻く家族や友人知人の『本音・欲望(知りたくもない本心含め)』を次々に暴いていくことになる。

知りたくもない家族の本心としては、表面的には自分を支えてくれていた母親が、本当は自分の無実を信じておらず家族を壊した厄介者として嫌い、絶縁したがっていること、父親も息子が真犯人だと思っていて『証拠品が残っているラボ』に放火するように頼んで捜査を妨害していたことなどが分かってくる。

イグのことを気に入ってくれていた恋人メリンの父親も、最愛の娘を殺した最低の男として憎んでおり、自分はやっていないと誤解を解くためにイグが話そうとするのだが、次に俺の前に姿を見せたらショットガンで撃ち殺すと脅される。

メリン殺害の真犯人は誰なのか、なぜメリンはイグを一方的に切り捨てて別れようとしたのかの二つの謎を『過去の思い出・人間関係』のサイドストーリーを挟みながら解き明かしていくミステリーになっている。

謎解きのミステリーに、角とメリンの十字架の不思議な力が関与するファンタジーのバトルの要素、イグとメリンの子供時代から続く恋愛のラブロマンスの要素が上手く組み合わされていて、前提知識なしで見ようとする人には『角(ホーンズ)』はそれほどそそられるタイトルではない感じ(そもそもどんな内容かわかりにくい)があるのだが、実際見てみるとなかなか面白い映画だと思う。

Huluのご紹介

楽天AD