あなたは“お金”のために働くのか?:現代の賃労働と何かの役に立つために働いて対価(金銭・感謝)を得ること

お金を増やすことだけを第一の目的にして他の全てを捨てて働ける人は資本主義では困窮しないが、現代日本は逆に『お金・労働より時間資源を優先する人の率』が増えて労働力・消費の不足に陥りやすい。

ズバリ、質問! あなたの働く第一の目的は「お金」ですか?

本当に一切の自由時間・余暇活動を捨て、朝から晩まで複数の仕事を掛け持ちして働き続ければ、『健康を壊すリスク』さえヘッジできれば特別な能力がなくてもかなり稼ぐことは可能だが、実際は『ほどほどに働きたい人・ある程度の余暇も確保したい人』が多い。大卒でもハードな総合職より一般職希望の人が増える時代である。

資本主義は差異の拡大で共同体的連帯を衰退させ、個人単位の競争原理によって『自他の境界線(私とあなたは関係がなく、私のものは私のもの)』を強める傾向があり、結果として『拝金主義』が多数を占めるに至るが、その背景に金銭万能と生の空虚化が混合した『消費主義的ニヒリズムの罠』も生じやすい。

自然に労働力を加えて成果物を得たり、他者と共同して農耕牧畜や狩猟採集をして食料を確保して生きる『労働の原型』はもはや資本主義社会にはなく、他者を共同体内で協力・互助して生きる『仲間』として認知しづらくなる。『細分化専門化された分業体制下の賃労働の一貫性・内在的価値の喪失』はマルクスやスミスも指摘した。

お金さえあれば困らず大半の事ができるとする拝金主義は、資本主義及び貨幣経済が崩壊しない限りは実効性を持つ考え方で、お金の使い方によって人間関係や家庭生活も充実させられるので『お金か人・心かの対立図式』も絶対的なものではない。ただ拝金主義の金銭の普遍的価値を担保するのは『社会・他者の労働』である。

お金のために嫌々仕事をしている人の増加は、『仕事の内在的価値の喪失』の現れだが、『お金があれば一切の仕事・役立つ活動をしなくなる人』か『お金があっても今とは違っても何か自分のやりたい仕事をする人』かの違いは小さいようで大きい。役に立つ行為と金銭の交換のフローは、人と共同体の価値の本性の一端でもある。

役に立つ行為と金銭の交換(感謝・承認の心理的報酬)のフローというものが、人間の消費主義的ニヒリズムへの転落(生・社会の意味がないことの自覚化による絶望)を押しとどめるが、労働・金銭・互報(互助)の本質的な価値を無視する社会が出現するとしたら、AI・ロボットが人間労働の全体を代替した時だろう。

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