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スマホ・PCの長時間使用の繰り返しによる“スマホ症候群・VDT症候群・ストレートネック”について

スマホやパソコンを日常的に長時間使用するライフスタイルで、『首・眼・肩・腰』に不調(機能低下)を来しやすいというのは経験的に感じる問題だ。ストレートネックやスマホ症候群の名称で知られる。

【暮らしのハテナ】スマホが原因の不調? 首や眼の異変に注意

スマホやパソコンを使って『同じ姿勢』を無意識に長く維持し続けることが、骨格筋の歪みを招いて健康を悪化させる。斜め下に目線を固定して、スマホのディスプレイを見続ける姿勢は首に思っている以上の負担がかかる。ストレートネックは首の疲れや気分の悪さにつながるが、運動やストレッチをしても症状はやはり残る。

人間の猿人・原人からの進化のプロセスを遡れば、ヒトは数百万年にわたってサバンナを駆け回ってきた種であり、平面上の文字・図像を長時間見続けるライフスタイルの歴史は数千年程度で短い。『止まっている状態・固定された姿勢・知的作業の負荷への適応』は十分ではなく、首・眼・肩に症状がでやすい。

平面上の文字・図像を長時間見続けるライフスタイルの歴史は数千年程度としたが、これは古代王朝の神官・学者・貴族など特権階級に限られる話で、近現代においても娯楽的な情報やゲームをスマホ・PCで消費するインターネットが登場するまで、多数派は人生の大半において本・文字・画面を見続ける人生を送りはしなかった。

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絵に描いたような『看取られる安楽死』は、近代的自我が求める:自然死が消えた現代における死に方

安楽死選んだ女性 最後の16時間の一部に密着

『安楽死』は『尊厳死』と言われることもあるが、尊厳死でいう『尊厳』とは概ね以下の要因に基づいていて、『近代的自我・脳機能』と相関している。

1.『認識・意思・自意識・自律』に関する最低限度の脳機能(精神機能)が維持されていること。

植物状態や脳死に近づいて何も認識できなくなり自分が誰かもわからなくなり、事前に表明されていた本人の意思に反してでも無理に周囲が生かそうとする時に、尊厳が失われる。

2.回復する見込みのない致命的疾患が発症・進行しているが、その苦痛・苦悶が平均的な人間の耐え得る限度を超えないレベルにまで緩和されている。あるいは本人がその苦痛・苦悶に何とか耐えられる(耐えることに意味がある)と認識して納得していること。

病気や老衰に回復の見込みがなく、本人がそれ以上の苦痛・苦悶に耐えられない(耐える意味が分からない)と表明しているにも関わらず、極度の痛み・絶望に無理に耐えさせられている時、『今まで、自分にできる限界まで苦痛に耐えて頑張り続けてきたがもうダメだ』と何度も懇願しても、その願いが受け容れられず極度の痛み・絶望を本人の意思に反して(本人が無意味な痛みと感じている中で)味わわされている時に、尊厳が失われる。

3.『自意識・自律性・プライド』に依拠する本人が考える最低限度の人間らしさが維持されていること。

この尊厳の要件は、上の2つの要件と比較すれば薬物投与の積極的安楽死を認める根拠としては弱いが、自分で食事や排泄をすることができなくなったらできるだけ医療で無理に延命されずに(人工呼吸器・人工心肺・気管切開・経管栄養・胃瘻をできるだけ避けて)、『自然死』に近い寿命をまっとうしたいという本人の思いと相関するものである。

安楽死にも、筋弛緩剤投与などの医療行為によって死期が早くなるように幇助する『積極的安楽死』と延命治療をできるだけ行わないことで結果的な死期を早めることになる『消極的安楽死』の区別がある。

回復の見込みがまずない致命的な疾患や老衰、障害に直面した時に、延命のみの効果しか期待できない医療・介護を拒絶して寿命の到来を待つ『消極的安楽死』には反対は少ない。

医療者が薬物を投与して積極的に患者の生命活動を停止させる『積極的安楽死』にはさまざまな観点から賛否両論がでやすいものの、『幸福追求原理(苦痛回避原理)に依拠する近代的自我』の道徳規範からすれば、本人の同意がある積極的安楽死の賛成者が多数になるのは道理である。

『安楽死・尊厳死』が議論になる背景には、現代人の平均寿命が飛躍的に伸びて死ぬ寿命と健康寿命の間のギャップが大きくなったこと、ほとんどの致命的な感染症や内臓疾患を医療が克服したことで『がん・血管障害・老衰(認知症を伴いながらの老衰)』以外では簡単に人が死ななくなったこと、個人の生命の価値が過去に比べて非常に重くなり医療・介護を拒否した自然死に近づこうとする死を受け容れられなくなったこと(事件・事故・災害による偶発的な死も過去以上に受け容れられない理不尽なもの許されざるものとして強調されるようになったこと)がある。

近代医学と医薬品の進歩は『もっと長く生きたい・色々な病気を治したい・苦痛や不快を軽減したい・理不尽な病死を減らしたいという人々の夢』を概ね実現してきたが、『最期までぎりぎり健康でいたい・すべての病気を治したい』というレベルにまでは至っていない。

皮肉なことに長生きすればするほどに『がん・血管障害・老衰による健康喪失(機能喪失)のリスク』に晒される、究極的には老衰に抗い続けられた人間はいない。がんの発症リスクとして喫煙・飲酒・ストレスが強調されやすいが、20世紀後半からがんが急増した最大の要因は『高齢化(60代以降まで大半の人が生きられるようになったこと・加齢による細胞分裂時の遺伝子複製のエラー率増大)』である。

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熊本地震の被災地のインフラ復旧が進む:車中泊によるエコノミークラス症候群の問題

ライフラインの要の電気が復旧して良かったが、被災地では『ストレス・不便の多い避難所生活』が当面続く。ガス・水道は管の損傷具合によって復旧が難しそうだが、清潔な水が出るだけで生活はかなり改善する。

熊本全域で電気復旧 ガス・水道は一部停止続く

飲料水、生活用水を全てペットボトルや給水タンクに頼らなければならない生活は相当に不便。水の残量を常に気にしておかなければならず必要なだけの水を思い切って使えない。下水道・水洗トイレが使用できないストレスも大きい。汲取りではない一般トイレで水が流せないと臭気に弱い人は使いづらく体調悪化の原因にもなる。

水が流せないトイレ施設は実質的にトイレとしての使用価値がすぐなくなるが、携帯トイレも慣れてないと使いづらく『人目を避ける場所・廃棄の場所』も必要だ。男性なら少し離れた屋外で用足しもできるが、汚物と距離を置く文明生活に慣れた現代人にとってトイレ外での排泄そのものがストレス、トイレの機能化は優先度が高い。

電気・水道・ガス・トイレは、現代の文明生活にとっては24時間いつでも使えて当たり前の公共インフラでありライフラインであるが、それが数日でも完全に遮断されると心身の調子を崩す人が出やすくなる。当たり前の日常生活の背後に、止まることのないインフラがあるが、震災や避難所はその必須性を改めて浮き彫りにする。

震災被害の急性ストレス反応(自律神経系から循環器・呼吸器の異常)、車中泊のエコノミークラス症候群は致命的疾患になる危険がある。避難所生活のストレスの影響や持病悪化、遅れて発症するPTSDも懸念される。

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「紹介状なしの大病院の受診」は約5000円の負担増に:大病院信仰は強いが個人クリニックとの使い分けを。

検査設備の充実・専門医などから大病院信仰は根強い。実際、町医者の診療所では対症療法中心で、軽微な症状の訴えだけで精密検査・画像検査はやらないので見落としリスクはある。内部の異常・がんに神経質になるなら人間ドックでも定期的に受けるべきだろう。

「紹介状なしの受診」負担増に賛否

健康マニア(心気症傾向)・検査好きな人でもないと、待ち時間が異常に長い大病院に風邪のような軽微な症状でいきなり『紹介状なしの受診』をする人は少ないし、予約してなければ一日がかりの診療になり、MRI、生検等を希望すれば別の日に改めて検査になる、患者数も多いので余計な感染症を貰うリスクもある。

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美容医療もクーリングオフが可能になる規制強化, きのこの山対たけのこの里

美容整形・脱毛・シミ取り(黒子除去)などは、メスやレーザーを使う侵襲的な医療行為だが、『医学的な病気ではない美容業』の側面も強く、高額請求に対してはクーリングオフの対象にすべきだろう。

美容医療、クーリングオフ可能に 来年中に規制強化へ

美容クリニックで儲かっている開業医は、一般の臨床医の何倍もの所得があるが、それだけビジュアリティ重視の現代社会における需要が高まっている現れでもあるのだろう。ヒアルロン酸注射・ボトックス等の美肌施術も、30代後半以降は確かに肌の見栄えは若くなるが、外見で稼げる人以外はメンテナンス費が高額過ぎる……。

美容整形やエステのビジネスモデルの問題は、かつての英会話の長期契約と同じで『顧客が望んでない高額な長期コース』を押し付け、お金を払っていても次第に面倒で来なくなるお客が出る事を見込んでいる所にあった。中途解約できなかったり高額な違約金を取ったりは、契約ビジネスの利鞘で、携帯キャリアにも共通するが。

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『氷食症』の体験談と鉄欠乏性貧血との相関関係

重度の鉄欠乏性貧血になっていた時に『氷食症』を体験した。確かに貧血が良くなるに従いあれだけ食べたい衝動のあった氷を殆ど食べなくなった。氷食症は、飲物の氷を全て噛み砕き、消費速度が速いので製氷皿の氷が凍りきらないうちから食べるほどだったな……w

体のSOS!“無性に氷を食べたい”に注意
氷食症は夏場だけに氷を食べるのではなく、寒い冬場でも食べたくなる。氷食症の食べ方は殆ど『ガリガリ噛み砕く』であり『口中で舐めて溶かす』という食べ方はまずない。貧血による自律神経の体温調節障害で、口内の温度上昇・熱感があると推測されるが、『氷を噛み砕く独特な食感の快感』を求める嗜癖性もあるのだろう。

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