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『ルパン三世の評価3点』の激辛な評価の理由が気になったので検索してみた。

個人的には各キャラクターのキャスティングも良いと感じたし、エンターテイメント作品としてなかなか面白い映画だと思ったのですが、100点満点中の3点というのはなかなか手厳しい……その理由が気になってちょっと検索してみました。

『超映画批評』というサイトでの『ルパン三世』の評点が3点ということのようですね。

http://movie.maeda-y.com/movie/01896.htm

3点の理由というのは、主に以下のような感じになるのでしょう。

>>映画全体が発する自己顕示欲とでもいおうか、「このアクションカッコいいだろう」「このポーズ、格好いいだろう」「このセリフ」「この衣装」「この(略)」と、ものすごい押し出し感である。

>>そして大事なことに、そのどれ一つとして、まったくカッコよくないのである。

なるほど、僕はストレートにその俳優の魅力や容姿、演技を前面に押し出した『各カット・各セリフ・衣装』がかなりカッコいいと思ってしまったという面でミーハーというか知覚刺激に対して単純なのかもしれないですね。

一般的な視点では、カッコいい部類に入るショットが多いと思うのですが、深読みする批評のプロ目線では『大衆に媚びた・俗情に倣った感性』といった低い評価に陥りやすいのかな。

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映画『ルパン三世』の感想

総合評価 89点/100点

キャスティングが好みに合っていると感じられるかどうかで評価の分かれる映画。個人的には『小栗旬のルパン三世・玉山鉄二の次元大介・綾野剛の石川五ェ門・黒木メイサの峰不二子』はすべて漫画のイメージに合っている感じで面白かった。

小栗旬は声優のような声芸でもいける俳優だったんだな、アニメ版のルパン三世に近い声色を使っているが、コミカルな愛嬌のあるキャラクターでありつつ、それほど違和感がなくて良かったと思う。

もんちっち風の髪型もだが、原作でルパンが愛用している濃い赤のビロードのタイトなスーツも似合っている。ちなみに映画が始まる前の『映画泥棒の犯罪CM』も、『こそこそちんけな盗みをしてるんじゃねぇぜ』のルパン三世バージョンになっていた。

声色という意味では、銭形警部役の浅野忠信もアニメを意識した声作りをしているのだが、銭形警部のほうが声を似せるのは難しそうで、小栗のルパンほど声の個性化には成功していない。しかし、浅野忠信の銭形警部も、作品世界にフィットした役柄になっており、要所要所で存在感を示している。

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石原さとみの「無防備さ・純粋さ」を賛美した記事の読み解き:日本文化にある「粋(媚態)の構造」

石原さとみも深田恭子のように後で化けたタイプと感じる。芸能人は自分の魅力を陶酔的・説得的に語ってくれるファンを増やすのも仕事。ファン向けの魅力語りの記事だが、記者が無防備な清純派のイメージがとにかく好きな事は伝わった……。

石原さとみ、セクシー評価の本質 艶めかしく映る無防備さ

石原さとみは清純派というよりは「見られている自分のイメージ」を制御するぶりっ子な感じのほうが強い。芸能人という外見とセルフイメージを売る人気商売を選んだ人が、ありのままの「無防備・無邪気」という事は有り得ず、「自分が可愛く(綺麗に)見える表情・態度・話し方」等はキャリアの中で研究し尽くしているもの。

「失恋ショコラティエ」は殆ど見てないが松本潤と石原さとみのファン層に訴え掛けるカメラワークとストーリー展開であり、二人の外見的・(役柄の上での)性格的な魅力を引き出すための工夫がある。好きな俳優ありきの作品ではあるが、AKBと同じく石原さとみも「親しみのある庶民らしい可愛さと色気の演出」の人気かも。

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映画『るろうに剣心 京都大火編』の感想

総合評価 90点/100点

戊辰戦争から10年以上の歳月が流れ、西郷隆盛の西南戦争で“殺人のための剣”を生業とする士族の旧弊な残党勢力は敗れて、歴史の表舞台からの退場を余儀なくされた。武士の特権である帯刀を禁止された四民平等の明治の世、幕末動乱期の薩長のように暴力で地位や勢力を得ることは不可能になり、腕のある人斬り・剣客・無法者といえども刀を捨てて近代的な明治維新に適応するしかなくなったのである。

戊辰戦争で官軍(長州藩)について要人暗殺を繰り返した“人斬り抜刀斎”こと緋村剣心(佐藤健)だが、剣心の後に人斬りの暗殺者として官軍に雇われたのが志々雄真実(ししおまこと・藤原竜也)だった。志々雄真実は剣心に匹敵する剣術の使い手で、戦争では無数の敵兵を斬り殺し、政変では多くの幕府の要人を暗殺して、討幕に大きな貢献をした。

だが、新政府の大義名分を失わせる暗殺の秘密を知っているということで、志々雄は突如味方から裏切られて斬り付けられ、その身体に油を掛けられて激しく燃やされた。奇跡的に一命を取り留めた志々雄真実だったが、容貌の原型を留めない程の大火傷を負い、ケロイドとなった全身に薄汚れた包帯で巻きつけ、明治政府に対する『復讐の鬼』と化す。

『政府転覆・弱肉強食の新世界(弱者の自然淘汰)』のために、新しい太平の世から爪弾きにされて腐っている剣客や無法者を集め、反政府活動を行う一大勢力を結成した志々雄真実は、次々と地方の村落を勢力圏に収め始めた。危機感を募らせる明治政府は、繰り返し討伐軍を編成して志々雄一派が支配する村に差し向けるが、その全ては返り討ちに遭ってしまう。元新選組・三番隊隊長の斎藤一(江口洋介)でさえも、火計の罠にかかって部下を全員焼き殺され、遂に志々雄を討ち取ることはできなかった。

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8月末に映画版の『ルパン三世』が小栗旬主演で公開。『岳』の続編も作って欲しい…

8月末に『ルパン三世』の実写版が小栗旬主演で公開される。ポスターを見ると漫画のそれぞれの登場人物のイメージに何となく合っている。モンキー・パンチの原作ファンからすれば、実写化は自分の世界観やキャラクターのファンタジーを崩してしまうので不評だと思うが、僕はオリジナルと二次作品は区別して楽しめる方だな。

キャスティングは、ルパン三世に小栗旬、次元大介役に玉山鉄二、石川五ェ門役に綾野剛、峰不二子役に黒木メイサ、銭形幸一警部役に浅野忠信。小栗旬は普段から猿っぽい髪型を好んでいるようだが、ルパンの髪型・衣装が似合っている。綾野剛も外見の雰囲気は五ェ門風だが、玉山鉄二もヒゲが似合うのでそれっぽさはある。

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AKB48が、41日ぶりに握手会再開:AKB48のビジネスモデルとインターネット社会における人気・需要

AKB48の擬似恋愛を絡めるビジネスモデルにとって『会えるアイドル・距離の近い握手会』は欠かせないものだろうが、数万人単位の参加者がいれば悪意ある異常者が紛れる確率は上がり、セキュリティコスト・時間コストも高くなる。

AKB、41日ぶり握手会再開へ 襲撃事件後初

アイドル襲撃の動機は『恋愛妄想の愛憎半ばの独占欲・自己顕示的な劇場型犯罪』が多いと思われるが、AKB48であれば『みんなが楽しみにしている握手会が中止になる』といった自分以外の他者の楽しみ・喜びを邪魔する動機(秋葉原事件のような自分だけが不幸で面白くないという被害妄想・社会への逆恨み)も想定される。

無差別殺傷事件をはじめとして無関係な他人を殺傷する人の大半は、『自分だけが不幸・惨めで世の中(他者)から不当な処遇を受けているという被害感情』を持っているが、芸能人・著名人を襲撃する事件では『標的者へのある程度の興味関心・売名的な自己顕示欲』も関与しやすいだろう。

AKBやジャニーズの功罪の一つは『アイドルの距離感を身近にしたこと・ライブと関係欲求を融合させたこと』と『音楽の評価軸を擬似恋愛(人物の性的魅力)に傾けすぎたこと・音楽単体での評価や売上を崩壊させたこと』にあるかもだが、CDが売れないネット時代(複製時代・参加型娯楽)ならではのアイドルではある。

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