『ルパン三世の評価3点』の激辛な評価の理由が気になったので検索してみた。

個人的には各キャラクターのキャスティングも良いと感じたし、エンターテイメント作品としてなかなか面白い映画だと思ったのですが、100点満点中の3点というのはなかなか手厳しい……その理由が気になってちょっと検索してみました。

『超映画批評』というサイトでの『ルパン三世』の評点が3点ということのようですね。

http://movie.maeda-y.com/movie/01896.htm

3点の理由というのは、主に以下のような感じになるのでしょう。

>>映画全体が発する自己顕示欲とでもいおうか、「このアクションカッコいいだろう」「このポーズ、格好いいだろう」「このセリフ」「この衣装」「この(略)」と、ものすごい押し出し感である。

>>そして大事なことに、そのどれ一つとして、まったくカッコよくないのである。

なるほど、僕はストレートにその俳優の魅力や容姿、演技を前面に押し出した『各カット・各セリフ・衣装』がかなりカッコいいと思ってしまったという面でミーハーというか知覚刺激に対して単純なのかもしれないですね。

一般的な視点では、カッコいい部類に入るショットが多いと思うのですが、深読みする批評のプロ目線では『大衆に媚びた・俗情に倣った感性』といった低い評価に陥りやすいのかな。

俳優(女優含めの俳優)は基本的には容姿端麗であり、見た目の個性が強い人が多いわけですから、その長所や魅力、愛嬌のようなものをできるだけ幅広く汲み取って見るというのが僕の鑑賞のスタンスでもあります。

小栗旬は映画の『岳』とかドラマの『リッチマン、プアウーマン』『花より男子』とかでもなかなか個性的な良い演技をしていたし、それぞれの作品に合ったキャラクターやしゃべり口調を工夫・調整するなど結構な努力家(エンターテイナー)だとも思います。ただ人によっては『自己顕示的・スタンドプレイ・かっこつけ過ぎ・プライベートのイメージが云々』といったイメージで嫌われる向きもあるかもですね。

『ルパン三世 3点』に付いた匿名掲示板のコメントの多くは、『超映画批評』に同意するような意見が多いのですが、大半は実際に見た上での感想ではなく『原作の神格化・キャスティングへの不満(俳優が好きじゃない)』がベースになっているようです。

http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1807787.html

配役についても、『ルパン三世』の原作の登場人物はもっと年上の設定なので、小栗・玉山・綾野では若すぎるという意見が多い。黒木メイサの峰不二子についても否定的な論調が強い。

浅野忠信・大泉洋・阿部寛・佐々木蔵之助・深田恭子・藤原紀香などを押したりするようなコメントもありますが、中年世代ではなく30代前半くらいまでの比較的若い世代を持ってきたのは、単純に映像面での『渋さ・重み』よりも分かりやすい『スマートさ・カッコ良さ』を重視したキャストの判断に過ぎないわけで、どちらの世代で配役をしてもそれぞれ違った味わいや魅力が出るというだけの話のように思います。

NAVERのほうに上がっている『ルパン三世』の評価は賛否両論が含まれており、実際に見てみた人の感想が多いので、こちらのほうが客観的な感想(一般的な観客の受けた印象)に近いようには感じます。

http://matome.naver.jp/odai/2140947587508938501

この末尾には、浅野忠信の演技にやや否定的なニュアンスのものもありますが、原作風の喋り方や雰囲気、動作などの演技としては、確かに小栗・玉山らの若手のほうがモノマネ的な上手さ・キャラクターへの適応感(なりきり感)はあるように感じました。

辛口評価のほうだと、逆に浅野の演技力・存在感だけを高く評価する向きがありますが、『演技・口調(声色)・動作のバラエティというか変化の幅』という点では小栗らの若手は声の出し方や身のこなしなどかなりの工夫・試行錯誤をしていると思いますが。