「マナー」タグアーカイブ

食事をする時の『いただきます』『ごちそうさま』の挨拶の慣習の意味と効用

『いただきます』の語彙には、『食事の調理・配膳をしてくれた人間への感謝』と『食材となる生命への感謝』があるという話だが、後者は縁起・因果・カルマの仏教思想との相関が指摘され、特に合掌してのいただきますは近代の浄土真宗の作法とされる。

なるほど! 「いただきます」本当の意味

実際は、近代以前の日本において『いただきます・ごちそうさま』といった食前・食後の挨拶の作法が存在したのか、どれくらいどの階層に普及していたのかは、史料による裏付けがなく不明な点が多い。『源氏物語』『枕草子』には平安朝の食文化と関係する記述もあるが、いただきますに相当する挨拶について記録はない。

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電車のマナー違反に対する注意と『注意の仕方』による相手の反応

ヘッドホンの音漏れは年代問わず遭遇するが、ヘッドホンの機能の問題なのか音の大きさの問題なのか…外で聴く時にそこまで大きくしなくても良いと思うが、『他者・外部環境』を遮断したい気持ちの現れともいう。

電車のマナー違反、注意する?「注意した……7.2%」「注意したい……33.5%」

同じ大音量で聴く人でも、車・バイクにウーハーを搭載し重低音を響かせる人は、『自分の世界に没入し他人に干渉されたくないヘッドホン派』とは違い、『自分の世界の魅力を他人にも承認して欲しい欲求』が絡み、人にイケてると思う楽曲を聴かせようとするが、皆の趣味や気分がそれに合うとは限らないという想像力が欠如。

電車内のマナー違反にしても『自分の行動・発言が一般的に他者にどのように受け取られるかの想像力』があればしなくて済むものだが、公共空間で『自分だけの世界に閉じこもりたい防御』『自分をもっと見て欲しい自己顕示』『自分たちが楽しければそれでいい無関心と騒動』のどれが過剰になってもマナー違反に近づく。

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ドコモの『歩きスマホ防止機能』に見る人間個人の自由意思・判断力に頼らない行動(マナー違反)の制限

全自動運転車の開発やアルコール検知器によるエンジンスターター制御などにもつながる発想だが、個人のモラルや自由意思(判断)に頼らずに、技術的に好ましくない行動がどうやってもできないようにしようとする『環境管理型権力』の現れではあるかもしれない。

歩いている時にスマホを操作できないというのは『子供限定の安心機能』ならまだ良いかもしれないが、非常時に電話を掛けなければならない時に操作が困難になったり、センサーの感度が過敏になり過ぎて僅かな振動でも操作ができなくなったりなどの弊害も考えられる。

ドコモ、「歩きスマホ防止機能」を提供開始……警告画面を表示して操作を制限

『迷惑行為・マナー違反・危険行為』などに対して、従来は違反をすれば罰するとか違反をしないように教育するといった方法が主流であったが、ITや監視技術が発達する近未来においては『個人の自由意思・判断力・倫理感』を問わずに(本人がルールやマナーを守るか否かなど関係なしに)、技術的あるいは事前操作的に確実にコントロールしようとするタイプの環境管理型権力が強まってくる流れは不可避だろう。

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