10万円を2週間で貯めるには、『固定費を除いた可処分所得の増加』と『月の消費金額の固定化』が必要である。

10万円を2週間で貯める、5万円を1週間で貯めるには、最低でもそれ以上の収入がなければならず、『家賃・光熱費・食費・交通費』などの絶対にゼロにはできない固定費を差し引いてもなお、それだけのお金が手元に残されていなければならない。月収が20万円前後であればどんなに節約しても、2週間で10万円を貯めることは不可能であり、必要最低限の食費などが不足して健康を崩すことにも成りかねない。

10万円を2週間で貯めたければ、○○は使うな。

『使っても使わなくても良い選択の余地のある出費』をどれだけ削れるかによって貯蓄率は変わるが、『お金を使うストレス解消の頻度・服飾や車、家など社会経済的なステータスの満足』を減らせば減らすほどお金は貯まる。だが、『やりたいこと・欲しいもの・消費と相関する自意識』のすべてを我慢してとにかくお金を貯めるという価値観もそれはそれで偏っているかもしれない。

着るものもボロボロで食べるものも食べずといった極端な貧乏生活をしていた高齢者の部屋から、死後に親族の誰も知らなかったような『数千万円以上の古びた現金』が発見されたりすることもあるが、『市場(他者)に循環させないカネ』はデッドストックであり本人にとっても経済社会にとっても効用がゼロに近いものである。

一般庶民がお金を貯めることの効用は『不確定な将来不安の緩和(高齢・病気・不況で自力で稼げなくなってもまとまった貯金があればなんとか急場を凌げるという考え方)』であり、数千万、数億円以上の現金があってもまだ足りないと思って落ち着かない人には『自己不確実感に基づく貧困妄想(お金があっても自分は貧乏だと思い込む妄想)』が見られることもある。

長期的スパンにおける『貨幣価値の流動性』を考えれば、ひたすらお金を貯め続けることが一番の安心とは言い難い面もあるし、ある程度自分が若くて頭もしっかりしていて元気な時でないと『有意義な楽しいお金の使い方』もできなくなるというリスクもある。

クレジットカードで買い物をしたら無駄遣いをしてしまうという誤解は多いが、正確にはクレジットカードでキャッシング(借金)をしたり分割払い(リボ払い)をすると『現金払いよりも利息分の支出が大きくなる・いくら借金の残高があるか曖昧になる』ということではないかと思う。クレジットカードや電子マネーだからといってお金がお金でないというような錯覚を起こす人であれば別であるが、『客観的な数字』として把握しやすいからこそお金の収支を正確に辿りやすいというメリットもある。

近年では、クレジットカードとほぼ同じ支払いが店舗やネットでできるが、分割払い・キャッシング(与信枠の利用)ができないVISAデビットカードのようなカードも普及してきており、『借金(前借り)をしない即時引き落としのカード払い』もできるようになっている。基本は『自分が今持っているお金(決められた金額)以上の買い物』をしないことであり、月に5万円の貯金をするならするで、給料(収入)が入ってすぐに別の貯金用の通帳にすぐに振り込んでおき、その通帳には一切手をつけないようにすれば済む話ではある。