公共交通機関(電車・バス)でのベビーカーの利用と『ベビーカー優先マーク』

赤ちゃんや幼児の年齢にもよるが、誰であっても一人だけで『自分で身動きできない0~1歳頃の赤ちゃん』や『次の行動が予測しづらい(十分に言葉の指示が通用するとは限らない)1~3歳頃の幼児』を連れて外で行動するのは不安だし大変なものである。

電車・バスに小さな赤ちゃんを連れて乗るというだけで、力のある男性でも少しげんなりするというか、混み合っている状況では一人だけでスピーディーにベビーカーを移動させたり折りたたんだりすることはしづらいだろう。ベビーカーを折りたたんだり開いたりの動作がもたついたり、子どもの安全確保に不安を感じたりすることもあるだろうし、周囲に迷惑をかけてはいけないということが気になって余計に動作がぎこちなくなる場合もある。

そもそも赤ちゃんがまだ小さくて自分で安定して立てない年齢なら、赤ちゃんを抱っこしながらベビーカーを折りたたむということになるから、相当な腕力がなければ男性でも難しいし、押し合うような感じで車内が混み合っている状態だと、物理的に抱っこ・おんぶなどはできないのではないだろうか。

道具を使わず自分の腕だけで抱っこしたまま電車に何十分間も立って乗り続けるのは困難だから(腕の力が足りなくなって落としたりのリスクもあるから)、基本的にはベビーカーに乗せたままのほうが安心・安全だということになる。ベビーカーを使わずに抱っこしなければならない状況なら、母親(父親)が座席に座って膝の上で抱えないと危ない感じはするが。抱っこ紐のようなものとベビーカーを併用して、素早く体勢(持ち方)を切り替えられる人なら良いが、都心部の渋滞状況ではホームでも身体を自由に動かせるスペースが狭い可能性もある。

『極端な混雑が生じる時間帯(朝夕の通勤・帰宅ラッシュ)』にはベビーカー持参(小さな乳幼児連れ)で乗るのは子供の安全確保のために控えたほうが良いというか、保護者自身が通常はそういった時間帯には自分のほうが乗りたくない(スムーズかつ安全に子供を乗り降りさせる自信がない)と思うものだろう。

逆にある程度空いている時間帯なら、ベビーカーに乗せたままでもスペースの問題は少なくなるが、東京・大阪をはじめ一部の人口密集地帯では電車が空いている時間が他の地方よりも短くなり、ベビーカーでの乗降がいつもしづらい可能性はある。『子供の発達年齢・安定した立ち姿勢(歩行能力)の有無・乗っている時間の長さ』によって、ベビーカーを使ったほうが良いかしまったほう(畳んだほう)が良いのかは判断が変わってくるだろう。

座席に座れれば乳児の子どもを楽に抱っこしやすくはなるだろうが、『ベビーカー優先マーク』だけではなく『ケースバイケースでの周囲の援助・配慮』も必要だろう。『ベビーカーでスペース占有して当然・座席を譲ってもらって当然(小さな子供連れが優先されて当たり前)という態度』がでていると不快という意見もあるが、それは個別の母親のパーソナリティー(性格傾向)や価値観、対人スキルの問題であり、そういった不快感・抵抗感を感じる人だけを基準にして対応策を考えても的外れなものとなる。

『ベビーカー優先マーク』も『高齢者・障害者の優先シート』のように有名無実化する可能性はあるが、『ベビーカーに乗せたままでも乗降して良い電車です・乗務員が乗降の手伝いをしてくれる電車です』といった意味合いが示されるのであれば一定の安心感や心強さにはつながると思う。実際、乗客数がそれほど多くない地方の私鉄の駅では、ベビーカーで乗ってきている客に対して、車掌が率先して外に出てきてベビーカーでの乗り込みを手助けしている光景を時々見かけることもある。

社会一般(子育て中の保護者の交通インフラ利用)の問題として、『乳幼児を連れて公共機関で外出しなければならない母親(父親)の不安・心配・怪我のリスク』を減らすにはどうすれば良いかということは考えていくべきであり、『混雑の度合いと時間帯の考慮・運営会社の人員の余裕・共助の啓蒙(乗り降りが大変そうな人の援助のすすめ)』などの対応策を組み合わせていって欲しいと思う。