映画『ワイルド・スピード EURO MISSION』の感想

総合評価 80点/100点

パワフルなエンジンを搭載した最新のスポーツカーから往年の名車、大排気量のビッグバイクまで登場して、はちゃめちゃな生きるか死ぬかのカーアクションを展開しながら『お宝の奪取・目的の達成』をしようとするドミニク・ファミリー(ドライビングテクニックを活用する国際的な強盗団)の活躍を描いたワイルド・スピードシリーズ。

『ワイルド・スピード EURO MISSION』ではそのタイトルの通り、イギリスのロンドンをはじめとした欧州が舞台となっているが、本作のミッションは『お宝・現金の獲得』ではなく、FBIのホブスが約束する『当局からの恩赦(今までの犯罪行為の無罪放免)』が目的になっている。ドミニク・ファミリーのリーダーであるドミニク(ヴィン・ディーゼル)と元FBI捜査官で一味に加わったブライアン・オコナー(ポール・ウォーカー)、その他の仲間たちは、前回の大仕事を終わらせて大金を得たことでそれぞれの穏やかな生活を送ろうとしていた。

ブライアンはドミニクの妹ミア(ジョーダナ・ブリュースター)との間に子供も生まれて、ドミニクはブライアンに危険な犯罪の仕事から足を洗って新しい人生を生きるようにと勧めている。使い切れないほどの莫大な財産を手に入れ過去を封印して、南の島でバカンスめいた日々を送るドミニクやその他のメンバーだったが、そこにFBI捜査官ホブスが現れ、『軍用品の強奪を続けるオーエン・ショウ一味の逮捕』に協力して欲しい(協力しなければドミニクファミリーの過去の犯罪で逮捕する)と要請される。

死んだと思われていたドミニクの元恋人レティ・オルティス(ミシェル・ロドリゲス)が、オーエン・ショウの一味に参加していることが明らかになり、ドミニクはレティの真意を問いただすためもあって、ショウ逮捕に協力することを決める。だが、ショウが警察の包囲網からの脱出に使った車は、『軍用車の改造特殊車両』であり、拳銃の銃弾をすべて弾き飛ばすだけでなく、一般車と正面衝突してもそのまま走り続けられるような怪物級のマシーンだった。

愛情(友情)と信頼で結ばれたドミニクファミリー、利益(金銭)と計画で結ばれただけのショウ一味との対比が所々でテーマとして出されているのだが、『仲間こそが一番大事』というある種のヤンキーテイストに訴え掛ける作品でもある。スピード性能が高いさまざまな車と、戦車まで飛び出してくる超絶テクを駆使したカーアクションが売りの映画で、ストーリーそのものは余り気にしない観客も多そうだが、『多種多様なスポーツカーが極限状況で競い合うカーアクションの映像とハイテンションなユーロビート風の音楽』は存分に楽しめる。