東京都の『おやじ狩り』で少年3人が逮捕:自分を大切にせず将来に希望・目標がない少年の問題

3人がかりで卑怯なおやじ狩りをする少年が悪いのは当然だが、欧米に強盗窃盗の少年犯罪が多いように、若年失業率が高く将来に希望を見いだせない若者が増えると、この種の強盗犯罪は起こりやすい。

「おやじ狩り」少年3人逮捕=強盗致傷容疑、40歳重傷―警視庁

遊ぶカネが欲しいなら強盗するのではなく働いて稼げは正論だが、強盗までするような非行少年の多くは『学校教育・職業キャリアからの早期離脱による疎外感(対社会の反抗心)』があり、今までに真面目な勉強・労働の効果を実感できたことがない(真面目にやっても見返りがないとの思い込みがある)という影響も大きい。

常識的判断では、強盗をして一時的にたかが数千円~数万円の現金を得ても、『法的制裁を受けたり前科前歴が残る不利益(社会的信用・時間的効用の喪失)』のほうが大きいので、馬鹿げたオヤジ狩りをする動機づけがそもそもない。現時点がマイナスという自己認識がないと犯罪はできないもの。

勉強にせよ仕事にせよ人間関係にせよ、積み上げてきたものが何もなく失うものもない(誰からも自分の頑張り・プライドなど期待されていないと感じている)少年にとっては、少年法の保護(公開される前科にならなくても逮捕・鑑別の記録は残る)や一時的な現金の魅力が大きく映りやすい。

自分で自分の人生や自尊心、生き甲斐を殆ど捨ててしまっている人が、強盗・殺人などの凶悪犯罪を犯す動機づけを持つ。その心理は、自分でさえ自分の人生なんかどうでもいい(逮捕・収監されようがなるようになれ)と思っているのだから、他人の人生や痛み、苦しみなど更にどうでもいいというものであり、 本人が自分の人生・存在・人間関係(好きな人)を大切にしたいと思えるきっかけを掴まないと、自暴自棄で社会不信を持っている無頼者・ならず者が犯す犯罪は抑止することが難しい。

自分なりに真面目に学んで働くことの価値を見いだせなければ『人から奪い取る・騙し取る』といった盗賊論理の無責任な気楽さから抜け出せない。

被害者の40代男性は、ならず者の犯罪被害に不運にも遭遇したという他ないが、夜間は『泥酔するまで飲まない・歩行中に周囲を多少は気にする』くらいの自衛意識は持っておいたほうが良い。視線・姿勢に鋭さがあり、歩き方が迅速で周囲に警戒心を持った様子であれば、それだけで標的から外されやすい面もある。