石原伸晃環境相の汚染土などの中間貯蔵施設建設を巡る『最後は金目でしょ』の発言と地方の支持基盤を作った自民党政治

福島第一原発事故の責任の取り方を『金』に還元するように原発輸出事業・原発再稼働の判断もまた『金』に還元されるものではある。自民党政治は元来『金目の地域配分・直接の利害』で維持されてきた側面も。

<最後は金目でしょ>石原環境相が陳謝「誤解を招いた」

品性に欠けた発言を陳謝しても、自民党政権の原発政策の本音の部分が、『金目の配分と原発安全神話で反対勢力を黙らせてきたという歴史・自負』にあるため、謝罪と訂正があっても表層的なものとなる。福島第一原発事故で科学的・統計的根拠に基づく安全神話が崩壊し、頼るべきものは『金目・利益の将来予測』となる。

原子力発電所・核廃棄物の中間貯蔵施設に限らず、ごみ処理施設や火葬場も含めて『都市の中心部』に置きたくない施設・設備の多くが、『過疎地域・経済基盤がない地域への金目の手厚い再配分+新たな雇用の創出』によって建設されてきた経緯がある。

経済的に困っていれば直接的な金銭や良い雇用の提示には弱い所があるが、それを政府・閣僚自らが『暴露話』のように大々的に打ち上げるというのは、『ごちゃごちゃ反対しているが、所詮カネが欲しいんだろう』という分かりやすい金満な悪代官・資産家のような傲慢不遜な空気感を伝えてしまう。問題解決のためにカネは不可欠だろうが、誠実な説明・交渉・納得のプロセスもまた大切なのである。

政府の沖縄振興政策・補助金増額が『米軍基地の駐留の見返り』であることはほぼ自明だが、政府があからさまに沖縄県の足元を見る札束をちらつかせる交渉姿勢を示せば、当然沖縄県の反発も強まる。原発問題もまた同じ構造があるが、有責者の責任・姿勢として『金さえあれば問題解決だろう』というのは感情的な反発を誘発する。