東京一極集中と地方の農漁村の人口減少と衰退の問題:どうして地方から都心に人口が移動するのか?

『東京一極集中・地方中核都市への集中・地方衰退』は都市型の消費文明社会と学校教育と連携した職業の階層的な価値観がある限り、決定的な流れの是正は困難だろう。一次産業と公務員以外の雇用に乏しい。

<地方移住>4年で2.9倍 「首都・近畿圏から」3割

都市から地方への移住が増加しても約8000人、東京都心への移住は10万人以上の規模で、差し引きの地方の農村漁村からの人口流出と高齢化は止まらない。敢えて田園・漁村の風景が広がる田舎に移住する人は大きく分ければ、都市型の消費文明・企業労働・育児環境に嫌気がさした若年夫婦か、リタイヤした老夫婦である。

地方自治体が移住を歓迎するのは、既に小さな子供がいるかこれから出産予定があり、就農する体力もある若年層(20~40代前半)の夫婦だが、逆に言えばこの『移住歓迎の対象層の狭さ』も人口増の制約要因だ。10万人以上の東京移住者の多くは仕事を探している単身者か若年者だが地方ではこの層の受け容れは困難である。

過疎化が進む地方自治体は人口減少・高齢化で、このままだと半世紀後には大半の自治体が消滅の危機に直面するが、それでも『来てくれるなら誰でも歓迎』の東京を筆頭とする匿名的で自由な大都市とは『移住者の求め方』がそもそも違う。働くための移住ではなく、地域共同体の一員となる協力姿勢を持つ移住者を求めている。

マンションの隣に誰が住んでいるか知らない、近所づきあいの挨拶や行事も殆どない、オンとオフの切り替えといった匿名的・自由放任的な『都市型の消費文明』が向いてないという人であれば、地方のコミュニティへの移住は向いている。他者との関係性と仕事・生活の状況が固定的になりやすく、組み換えが難しい特徴がある。

地方の農漁村の人口が減少し、若い人が都市に流出していく理由は、トートロジーだが『若年層の人口・雇用・出会いが少ない』『仕事・生活・人間関係の流動性が低い(変化・刺激に乏しい)』からである。単身者の移住を受け容れないのも、田舎では同世代のパートナーを見つけにくく、一人で来ても人口が増えないからもある。

近代社会や学校教育の仕組みそのものが、『消費文明適応的な都市志向』であり『今よりも豊かな状態を目指す成長拡大志向』であるため、経済成長や消費機会、娯楽・交遊が乏しい地方の農村部は性質的に『非近代的な特徴』を持つ部分もある。今のままの生活や仕事を繰り返せば良い定常型社会は、進歩志向の近代の例外である。