薄暮の時間帯の交通事故死:高齢者が被害者になる事故の比率の高さ

交通事故死者数はここ20年で半減して、年1万人ベースだった死亡事故は4千人ベースまで改善された。交通事故被害者に占める高齢者比率上昇は高齢化率25%を超える時代の反映でもあるが、高齢者は認知・知覚の能力が低下するので、自分が思っている以上に『車との衝突回避行動』が遅れてしまうケースも多い。

薄暮の事故死、10月倍増=昨年、77%が高齢者―「明るい色の服装を」・警察庁

薄暮の交通事故の起きやすさは、『ドライバー側の視界の悪化(光度の低下)による順応や注意力・ヘッドライト・速度の要因』と『歩行者側の注意力や判断力・黒系の見えにくい衣服(無点灯の自転車)・車側の回避や停止への過信』と関係している。高齢者は車が避けるはずの過信や近づく車の速度感覚の低下が影響する。

ヘッドライトの耐用年数をケチっているのか何なのか分からないが、薄暮の時間帯になっても『真っ暗+街灯なしの区間』に至るまでヘッドライトをつけなかったり、周囲の車のライトに頼って運転しているようなドライバーは危険運転行為に該当する。『自分が見えていても相手の発見が遅れる可能性』があり車幅の誤認にもなる。

高齢者の事故という部分では、車を運転しているドライバーからすると、『高齢者の安定感のない自転車』というのが一番怖い。路側帯をフラフラしながら高齢者が自転車に乗っていると、車は大回りして避けていくのだが、夜間だと無灯火の自転車もいるので、ふらついて車道側に倒れてくると車が避けきれない危険性も出て来るだろう。

まぁ、若い人でも車道を自転車で猛スピードで飛ばしたりしていると、わずかでも車道側に自転車の走行ラインがずれてきたらぶつかる(自転車は車よりも直進性能に不安が残るので)という怖さも感じないではない。

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