機動隊員2人が寮で自殺、仕事を辞められない心理,旭化成建材の『杭打ち偽装事件』について。

死ぬなら逃げればの声も多いが、寮の機動隊に志願するような人は『嫌なら逃げる・合わなければ転職・上が悪いの価値観』を否定する信念で生きてきて、信念と現実の矛盾で正常な判断力を失いやすそう。

機動隊員2人、自殺図る 1人死亡、遺書に「いじめ」

今でこそ辞職・転職について『合わなければ別を探そう・辛くて耐えられなければ辞めたほうがいい』の柔軟な価値観も広まってきたが、少し前まで体育会系的組織では特に『ここで勤まらなければどこに行こうがダメ・逃げ癖がついたらまた逃げる・嫌な事や人間関係から逃げる敗北者』といった精神論的な価値が支配的だった。

厳密には、現在でさえ保守的な組織・人ではこの手の『ここで勤まらなければどこに行ってもダメ・履歴書の印象が悪くなる・みんなができることがなぜお前だけできない・大企業や公務員を辞めた人間は信用されない』の価値観は相当に根強い。仕事で自殺するような人は『親世代の期待・価値観』が影響している事も多いだろう。

自殺するほど職場の人間関係・いじめが辛ければ辞めればいいと言える人は、ある意味で自分の職業・仕事を『生計を稼ぐための手段』と割り切れていて、『現在の仕事の既得権・蓄積(今の仕事を続けることで得られる所得・福利の見積もり)』が低めな人。公務員の警官・機動隊員を辞め転職すれば大半は待遇が悪くなる。

それでも自殺するよりマシというのが道理ではあるが、自殺するほどつらいのにどうしても辞めないというのは、『閉鎖的な集団生活における洗脳状態・主体性放棄』もあると思うが、それと合わせて家族・親などの『公務員の自分への周囲の期待や必要性(就職した時の喜びよう・家計の安定所得)』等が影響している事も多い。

横浜の杭打ちデータ偽装による傾斜マンションは、日本を代表するエスタブリッシュなデベロッパーと基礎工事会社の信用を大きく毀損した。旭化成本社は揺らがないが(株は下落した)、子会社・旭化成建材は他の数千の工事実績を精査し、そこに同様の不正が多数発覚した場合は会社が危うい。仕事を発注する会社がまずない。

傾斜マンションの補償は大きく3つの方法になる。『住宅ローン(支払い済み分含む)をリセットする買取り+引越費用・精神的被害の補償』か『杭打ちの補強工事+精神的被害・風評被害の補償』か『マンションの建替え』である。三井不動産は約3年間で建替えが可能とするが、住民は風評被害による資産価値下落を懸念する。

既に数センチは地盤が沈下、複数のマンションをつなぐ接合部分の歪みが大きくなっているので、杭打ち補強だけで住み続けたい住民は恐らく少ないだろう。マンションの新築物件には、初期不良の一定リスクはあるが、この事件では高級物件の実績の多い三井不動産レジデンシャル・三井住友建設等のネームバリューの信用が仇に。

過去には新興のフューザーと無責任な建築士が引き起こした事件もあったが、中高年世代は旧財閥系のレガシーな大企業を、ハイレベルな商品・サービスの無条件な信用の担保と捉えやすい向きはある。まぁ、資金のない小さな施行会社なら倒産でトンズラされる、三井なら全面建て替えしても財務基盤が揺らがない強みはあるが。

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