介護離職問題の解決に向けた介護ポイント制度の提案:現代社会における介護・老後の相互扶助の仕組みづくり

厚労省は現在の家族構成・労働環境では難しくなっている『在宅介護』を推進し『施設介護』を削減しようとしているので、家族にフリーに動ける人員がいなければ『介護離職』は構造的に増える。

介護離職をしない・させないために、私たちができること

家族・地域社会を主体にした『地域包括支援のシステム』が、夫婦のみ世帯・単身世帯の増加や親子関係の希薄化(距離の遠さ)、地域社会の衰退で機能しづらくなり、配偶者や高齢の子しかいない世帯で『在宅介護』しようというのは難しい。親の経済基盤が弱いほど、有料の介護サービスは使えず介護離職が起こりやすい。

介護保険は『寝たきり・歩行困難(車椅子生活)』に対し『認知症・精神障害』の問題を過度に低く評価している。脳機能が大きく低下していても、身体が元気で動けるならまだ施設介護は必要ないという考え方なので、夜間徘徊や被害妄想、錯乱・興奮、排泄障害(弄便)などに付き合う高齢家族が限界まで追い詰められやすい。

家族間の在宅介護も職業的な介護士だけの施設介護も、人員不足の限界に達し、今元気な高齢者やその家族も『将来弱った時に介護をどうするかの不安』が大きい。介護者のマンパワー不足が深刻だが、元気な高齢者がボランティアで施設介護を手伝えば、『施設入所の優先ポイント』を与える等の持続可能な制度設計を練るべきだ。

60~70代前半ならそれなりに元気で趣味・旅行等を楽しんでいる人も多いので、元気なうちに公的施設の介護を手伝えば『1時間1ポイント+一定の賃金』等で将来はポイントが多いほど優先的に入所できるシステム(上位ポイント者は割引等)は有効かもしれない。若い人でもポイントを貯めておけば、将来入所しやすくなる。

介護業はアルバイト程度でもしたくない(自分はポイントは貯めなくて良い)という人もいるだろうが、そういった人は金銭で解決しなければならず、公的介護施設よりも料金面で割高な民間の有料老人ホームを利用することになるか、入所までの待機期間がポイント保持者よりもかなり長くなる。家族間でポイント配分できても良い。

最低限の研修・資格取得を促してキャリアのあるプロの監督者を置くとしても、ボランティアやバイト的な働き方だと介護のクオリティは低下する恐れもあるが、『相互扶助型の施設介護の供給増加(居場所のない高齢者を減らす)』ための介護政策として全国民に介護参加のインセンティブを与えるのは一考の余地がある。

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