石巻三人殺傷事件の死刑判決:別れ話に耐え切れなかった元少年と許されない罪を生むリスクを高める人生・家庭環境の不条理

『DVと束縛・別れの拒否・ストーカー』から襲撃殺人に至った事件で、利己性と被害を考えれば死刑も妥当だが、人を殺すほどの『見捨てられ不安・衝動制御不能』は母子関係・成育歴の問題も絡むものだろう。

<石巻3人殺傷>元少年「死刑執行まで死ぬ意味を探したい」

若い時期の恋愛や異性関係には『独占欲・執着心』は働きやすいが、母性剥奪による愛着障害・誰ともつながりを感じない極度の孤独感などがある場合、『恋人=ずっと見守ってくれる親の擬制』と感じ、『離れたら生き死にに関わる狂気的な執着』を持つ者が出る事もある。恋愛が順調なら『愛情と狂気の境界』に気づきにくい。

愛着障害やトラウマ体験(アダルトチルドレン)を原点に持つ境界性パーソナリティー障害としての解釈も可能だが、そういった男性に近づかなければいいといっても、このメンタリティは『自分を愛してくれる女性への飢え+必死の恋愛の努力』があるので、一途にのめり込むマメで情熱的・誠実な人のように見える事も多い。

境界性やそれ以前の性格・認知の偏りは、殺人までいかない『DV・束縛・不安』として現れる。『小さな事でヤキモチを焼く・思い通りにならないと不機嫌になる・こまめな連絡を求める・別れ話で怒りしつこい』のレベルは経験した人も多いはずで、正常圏の執着・不安定・暴力性を超えなければ面倒な性格で片付けられる。

元少年の加害者が『利己的・非人道的な殺人行為』を行ったことは死刑に相当する重い罪だがその心理は『悪意の殺人』というより『見捨てられ不安のパニック・孤独恐怖の足掻き』に近かっただろう。心の拠り所がない人生や境遇における光明(愛情・執着)と暗黒(喪失・犯罪)の落差で加害者心理に陥る人は多いといえば多い。

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