なぜ現代でブラック企業の問題が増加したのか?:雇用の保障と安定の変化と過労・ストレス

ブラック企業でも『高所得・ノウハウ蓄積・将来性ありのキャリアの条件』と『長時間労働・サービス残業・パワハラ・ノルマだけで積み上げのない条件』では、本人の受け取り方や納得度も異なる。

ブラック企業、見抜くには…転職者から情報、離職率調査

ブラック労働問題の多くは『時給換算で決められた時間だけ働くアルバイト・パート・派遣の非正規雇用』では起こりにくく、『時給換算できない固定給・職務給・賞与ありの正規雇用(メンバーシップ型雇用)』で起こりやすい。いわゆる身分の保障された日本の総合職は会社の何でも屋で労働時間も曖昧化しやすい。

『名ばかり管理職・名ばかり店長』のような実質的な権限・裁量のない過酷労働(寝る暇も与えられない労働)によって過労死するような悲惨なケースもあるが、『会社の社風・教育・労働時間・人事査定』に受忍限度を超えた問題や危険を感じたら早期離職を視野に入れてメンタルを壊す前に転職活動を急ぐ事だろう。

民間企業の正社員はブラック的な働き方になりやすいが、自分が納得できる仕事内容やキャリアの積み上げがない前提なら、『洗脳的な絶対服従を求める社員教育・上司の独裁・まともな精神を維持できない超長時間労働・人格否定や暴力的言動・極端なノルマと不達成の懲罰』があれば改善困難なブラックと見て離脱すべきだろう。

しかし実際の就労経験がない人やストレスに弱い人がイメージする完全にホワイトな仕事・職場というのはほとんどないのが現実かもしれない。『定時のアルバイト・パート・一般職』に近いものになるか、『好きだから苦にならない専門的・技術的な職種』になるだろう。医師・官僚でさえ給与は良くてもブラック労働的な環境で。

今までの価値観では、キャリアを積み上げられて昇給・昇格・独立があるような仕事で、社会保障・退職金も手厚いならば、多少のブラック労働の環境は我慢すべきというものだったが、現在は『長期雇用の保障なし・昇給昇格や退職金もなし・会社都合の切捨て』のような守らない環境でブラック労働をさせる悪質なケースも増えた。

意外とブルーワークの製造業の正社員、現業公務員のほうが、『人間関係のハラスメント・いじめ』に遭わないタイプの人なら、『長時間労働・サービス残業』のない時間通り終業する職場は多いかもしれない。ホワイトエグザンプションには問題は多いが、広義の頭脳労働には『時間給を払いづらい発想や考える作業』も多い。
○心身の健康を維持してバイタリティと労働意欲を保つ『労働力の再生産』の為には、1日最低10時間くらいはフリーな時間が必要。8時間以下だと睡眠確保だけで就業後が終わる。

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