生涯独身は不幸になりやすいのか?結婚すれば幸せになりやすいか?:一長一短な結婚制度

結婚は正社員にも似た『長期の関係性の固定化・義務化』の特徴を持ち、その相手・内容・目的共有・子の成長・帰結によって幸せにも不幸にもなる。独身は『相手・行動の流動性や選択』はあるが正社員に対する非正規と同じく自由度をどう活かせるかが問題になる。

生涯独身でも、不幸とは限らない

人間が精神的に追い込まれる最大の要因として『孤独+貧困+役割喪失(承認欠落)』があり、結婚は今までは大多数の平均的な人間にとって一定のセーフティーネット(話し相手がいる・相互扶助できる・仕事や子育ての役割がある等)として機能してきた。多くは結婚制度を使わずに長期の関係性や互助を維持しづらいのもある。

無論、結婚制度は半ば強制的に配偶者・子供との関係性・互助を義務づけるから、『大きな問題や危険が生じた相手からも簡単に離れられないデメリット』もある。相手の人間性や価値観、経済力、知性・対話力等の見極めは慎重に行う必要がある。関係の固定化が『安心・保証』か『束縛・負担』か各人の努力・相性次第だろう。

生涯独身は不幸ではないが、配偶者でなくても、結婚制度に依存しない異性関係や友人関係などを一人でも持てているか否かが『中年期以降のシビアな孤独』に関係してくる可能性はある。完全に一人でも誰とも深く対話できなくても死ぬまで何ら揺らがない悟った脱俗・達観の境地に到達できれば良いが、誰でもできる事でもない。

独身の流動性や自由度は選択肢がある方が生きる、何も選択できないと経済的・精神的にきつくなる恐れはある。『経済的に自立できる能力・資産がある』『結婚以外の長期的な関係性が維持できる』『自分一人でも数十年以上は持つ突き詰めたい活動・学究・趣味がある』なども人生謳歌の条件になる。

結婚や家族の制度は『安心・保証』と『束縛・負担』の両面を持つが、人が永遠に加齢・老化しないのであれば一定以上の地力・魅力があれば結婚・家族の必要性はかなり低下するが、これらに依拠したくなる心理の一因は『私の能力・魅力が永遠ではない有限性(老いるとゼロから人を引き付けて協力しにくい)』にあるとも言える。

最終的というか老年期に入ると、結婚していても死別・介護・腐れ縁(離れたくても離れられない)の問題が出てくることもあるし、結婚していなくても中高年同士で新たな茶飲み友達や異性と親しくなったりすることもあるかもしれないので、結婚すれば、独身であればこの結末になるという一義的な予測も成り立たないが。

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