幕末史の孝明天皇と徳川慶喜の雑感、天皇制と元号の本質とは何か?、「美人」の人生は本当に得ばかりするのか?

○天皇は王政復古(大政奉還)で近代化を後押ししたが、日本の明治維新がスムーズに展開した理由の一つは、孝明天皇の天然痘による急逝だった。

当時の公家は穢れ思想で、動物の血液由来の種痘を接種せず、孝明帝は天然痘感染で短期間で死んだとされるが、佐幕派・親会津の孝明帝が存命なら薩長に倒幕の勅命はまず出なかった。

孝明天皇は36歳で崩御したが当時の平均寿命からしても圧倒的に若い。本来は後数十年は慶応の時代が続き、そうであれば薩長は錦の御旗を掲げられず、徳川幕府の早期瓦解もなかった。孝明帝は超保守派・佐幕派で外国人を穢れとして嫌い、開国にも強く反対していたため、下手すれば1900年近くまで日本近代化は停滞した。

孝明帝は徳川家と会津藩を忠義第一と最も信頼して、幕府を倒せというどころか、大政奉還せよとの勅命も出すつもりもなかった。公武合体派で幕府中心の保守的な政体を支持し、急進的な新政権などには反対であった。禁門の変で会津藩・松平容保を追放しようとした長州藩をひどく嫌い、朝敵として長州征伐にも賛成していた。

禁門の変で長州を追い出して京都政局を掌握したのは、いわゆる一会桑政権(一橋慶喜・会津藩・桑名藩)でそれをバックアップしたのが薩摩藩であり、1867年頃まで長州藩は尊皇攘夷の倒幕の主要勢力どころか、逆に朝敵として征伐されかけていた。ぎりぎりの時点まで、人材不足を除けば幕府の方が装備も兵力も上だった。

孝明帝が存命であれば、孝明帝と松平容保は非常に親しい関係にあり、徳川幕府と会津藩を朝敵と名指しして、薩長に征伐を指示する勅命は出なかった。

あるいは、第二次長州征伐時に徳川家茂が若死にしなければ、幕府軍は長州藩を処分できた可能性もある。だが孝明帝と徳川家茂の想定外の早逝が全て薩長に運気を傾けた。

孝明帝の後を継いだのが後の明治天皇(祐宮)であり、孝明帝には祐宮以外の男子はいなかった。そして、祐宮の母親は長州藩縁故の中山家出身の側室で、幕府よりも長州に深く肩入れし同情していた。長州嫌いの孝明帝から、長州贔屓の明治帝への歴史の急展開が、結果として錦の御旗を薩長にもたらしたのである。

15代将軍徳川慶喜は、討幕の勅命を警戒して自発的に大政奉還して、幕府・将軍の名目と体制を維持しようといたが、薩摩藩主体の雄藩がクーデターで朝廷を掌握して、岩倉具視らが王政復古の大号令を発令した。徳川将軍家を取り潰す辞官納地を命じたが、幕府側は猛反発して鳥羽・伏見の戦いから始まる戊辰戦争に引き込まれた。

○正当な皇位継承者の璽(しるし)である「三種の神器」を継承する「剣璽等承継の儀」は、歴史を遡れば南北朝時代には真剣にその所有権を巡り争ったが、古代の中国王朝にも「国璽・玉璽」と呼ばれる石造りの印鑑が正当な王・皇帝の証としてあった。現代では完全にフィクションで、三種の神器そのものもレプリカ・複製品だが。

天皇家に代々伝えられてきた「三種の神器」とは、八咫鏡 (やたのかがみ) 、草薙剣 (くさなぎのつるぎ) 、八坂瓊曲玉 (やさかにのまがたま) だが、記紀の伝説上は天照大神が所有して孫のニニギノミコトに授けたとされる。草薙剣の中世以前のオリジナルは、源平合戦の壇ノ浦の戦いで関門海峡に水没したとされる。

ただ壇ノ浦の戦いで海に沈んだ剣も、古代からの歴史ではレプリカであって、大元の神話時代からの草薙剣の現物を見た人はいないのである。

剣は日本武尊が東征の後、尾張国で祀ったとされ、 熱田神宮の由緒となった。八咫鏡は垂仁天皇の時代に伊勢の五十鈴川周辺に祀り、伊勢神宮の由緒となったが、剣も鏡も現物は当然ない。

現代にも残る八坂瓊曲玉だけは、古代の平安時代以前くらいまで遡れる古い時代のものと推測されていて、勾玉に関しては中世以降に紛失・水没・破損などの記録は残されていないようだ。実物がどんな石で作られた勾玉なのかの詳細は分からないが、天皇家の権威維持システムとして、古代に遡れる宝物は貴重ではあるのだろう。

○天皇制・元号には賛否両論あるが、大化の改新(乙巳の変)から続く皇統・元号・その璽(しるし)のような伝説的・権威的な物語が完全には途切れず共有・継続されてきたことは、世界でも類例がない。

新天皇陛下「国民に寄り添い、象徴の責務果たす」 初のおことば (毎日新聞 – 05月01日 11:21) http://mixi.at/a85R3eE

君主制とは権力の正統性を共有する人物・戦・血統(家族)の物語のようなものだが、君主制を廃止した近代の共和制とは「人物の物語(階級格差)が消滅した匿名的・大衆的な体制」になる。だが現代で作られるフィクションの創作物にも、王侯貴族や皇帝などが敢えて作られるように、人の心理に王の表象は根強い影響力を持つ。

過去に存在した無数の王政・君主制・貴族のフィクションの物語は「虚構・幻想・馬鹿げた物語」として近現代の合理で葬られ、フランス革命やロシア革命のように大衆の怒りで国王・皇帝が物理的に殺された歴史もある。大局では非現実的な身分正当化の物語など現代ではまず通用しないが、天皇制は例外として存続し支持された。

「古代から続く祭祀儀礼(大嘗祭・新嘗祭・践祚など)」や「三種の神器」などは、客観的に考えれば近現代では「現実とは無関係な天皇権威の正当化のためのフィクション」に過ぎないが、現代でも過半を遥かに超える日本人が天皇・皇統・儀礼のフィクションを踏まえてなおその継続を支持し天皇に国父の役割を求める世論がある。

君主(ボス)やその妻に国民を見守る国父・国母の象徴的役割を求めるというのは、近現代どころか古代ローマ帝国以前にまで遡る人間の太古的・家族的な心性で、共同体を巨大な家族に擬制し共同体全体を見守る父母のような役割を求めた。

現代日本でも正に平成天皇を国父と見なし感涙・感謝する高齢者がいることは驚異的である。

天皇制は天皇の時間支配の「元号」に象徴されるように、日本史の連続的な時間観念そのものでもあり、「明治・大正・昭和・平成」というだけで私たちは半ば反射的にその時代の空気感や世相・戦争・事件などを思い浮かべることができる。

西暦も連続的な数字の時間軸だが、良くも悪くも区切りがないのは大きな違いになる。

西暦も厳密にはキリスト誕生の翌年から起算されていて、特定の神・人物のフィクショナルな物語だが改元のような数字のリセットがないため、特定の神・人物に依拠した数字のカウントであることを異文化の人たちも殆ど意識しなくて済む。神(キリスト)は普遍・無限、天皇は個物・有限であるから、前者に区切りは不要となる。

ただ平成を越えて令和まで連綿と続いてきた皇統が、「男系男子のみの皇位継承」という皇室典範にこだわれば、半世紀持たずに途切れる可能性が出てきたことが「剣璽等承継の儀」の参列者から見て取てる。皇位継承権のある成人男子は、秋篠宮様と常陸宮様のみ、そこに悠仁様が加わるが、皇統の先細り感は強い。

だが女系天皇を認めると、小室圭氏が未来の天皇の父になる可能性も出て、それが嫌との声もあるそうでw良くも悪くも日本人の深層心理に天皇を頂点とする血統・身分制の物語が染み付いているのだろうか。

だが小室圭氏のような身分不問の皇族・天皇の父が出てきた時は、天皇権威を支える物語の多くも失効していくだろう。

○美人のメリットは大勢の男性を惹きつけて協力・貢献させられることだが、非常識でない限り、結局一人だけを選ぶしかないのでフルに力は発揮できない。

美人たちの知られざる苦労「髪を耳にかけただけでぶりっ子してると言われた」「好きでもない男ホイホイになる」 (キャリコネ – 05月01日 08:41) http://mixi.at/a85o3W7

美人が100人の男性に好かれて、その100人すべてを恋人なり配偶者なりにして協力させられるなら、途轍もない集金力や影響力になるが、美人にも選り好みがあり男性にも独占欲や嫉妬心があるので、結局全力で貢献させられるのは一人の男性に限られる。

美人というか男性に好かれるタイプの人は、自分の好き嫌いがあり、最終的には一人を選ばざるを得ない(選んだ後にも色気がある美人なら相手に疑惑や執着、嫉妬を向けられるリスクも高く)ので、結局、よほど美を大きく活用する野心やプランがある人でもなければ、普通の無難な人生を送る上では障害・面倒になる事は有り得る。

別に有象無象の何十人もの男が言い寄ってきたところで、「1回話して1万円・関係を維持するなら毎月5万円などの料金」があるわけでもない。下手に中途半端に相手して執着されればストーカーになるリスクがあるだけで、相手に納得して気分よく引き下がってもらう「あしらいのテクニック・恨まれない断り方」も気を遣う。

美人でも学歴・知性・目的意識があるか否かで「最適化された美の活用戦略・決断時期」は大きく異なる。大きく分ければ「早めに相手を決めて結婚・出産するか否か」が一番の分かれ道で、ヤンキー系・非高学歴系の美人などはキツめの性格あるいは早婚・早い出産・家庭志向などで他の男が余り寄ってこなくなり小さく収まる。

ヤンキー系・非高学歴系のちょっと目立つ程度の美人は、学生時代に似た系統・雰囲気の彼氏がいることも多く、良くも悪くも高卒・専門卒で就職すれば認識する世界も狭く、相手の執着・熱意もあって別に乗り換えずそのまま20代半ばくらいまでには結婚・出産して、あまり他の男が近寄りやすい期間自体を持たないことも多い。

広義のヤンキーではない非高学歴系・一般職や事務職、フリーターのような美人も、人並み以上には可愛いくらいの自己評価はあるとしても、職業的・経済的な先行きに不安があるため、それほど高望みせず高所得でなくても見た目がまずまず好みで真面目に働く男なら早い内に結婚・出産が多く、誘いを断りやすい家庭環境に入る。

美人でもメリットかデメリットかが極端に分かれるのは「芸能界・モデル・水商売などの華やかな世界で成功したいと考えるタイプ」や「自分の男を惹きつける美貌を最大限に活用し最善の男を選びたい(プロスポーツ選手・成功した経営者など)タイプ」だろう。見た目だけの美人では尚更、野心が大きければリスクは上がる。

そこまでいかなくても、美人で特定の彼氏や夫を決めないフリーで優柔不断な状態にあると、色々な男が近寄ってきやすくなる。美人で好みでない人から誘われるのが面倒でストレスになる悩みの手っ取り早い解決法は、並の男では太刀打ちできない美男子か成功者・金持ちを隣に置けば、大半は退散するだろう。

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