『お客様は神様』はお店・店員の側の心がけのスローガンに過ぎない:対価・商慣習以上の過剰なサービス(人格的従属)を求めるのはクレーマー

商売は『商品・サービスと代価(金銭)の交換』で、お客は『代価相当の商品・サービスを求める権利』はあるが、代価を超えた『人格・行動の全従属を含む神様扱い』をしてもらえるはずもない。

「お客様は神様」とのクレーマーの主張を論破する「秀逸な名言」7連発

店舗での商品の買物であれば、店員は『最低限度以上の接客サービス(お客の質問・注文・会計への応答)』を提供する職務的役割を担うが、数百円?数千円程度で『最上級のホスピタリティー』を求め、最大限の配慮をして丁重にもてなせなどと考えている勘違いした客は、接遇コストが高くて利益がでないのでお引取り願うべき。

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広島県の19歳少年による祖母殺害事件:19歳少年の祖母・親との関係はどのようなものだったのだろうか。

北海道で女子高生が幼い頃から祖母に奴隷のように使役・虐待されて殺人事件を起こした事もあったが、祖父母と孫の関係が『孫に愛情を注ぎ援助もした優しい祖母』の定型のイメージに合致するかは分からない。

祖母死亡、殴った疑いで19歳少年を逮捕 広島

北海道の事件では母親も祖母から使役・虐待を受けて育てられ(祖母自身も)、『親に子供を支配し奉仕させる権限があるかのような価値観』が家にあったという。祖母は資産家だったが、近所でも有名な性格のきつい女性で孫に何かしてやる事もなかったと報じられたが『おばあちゃんの平均的イメージ』からかけ離れた例はある。

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ストレスを感じにくくするための認知療法的な工夫と対人関係の割り切り

認知療法の基本を説明した記事だが、『客観的な出来事』をどのような方向にも意味づけできるというフラットな心理状態が準備できていないと効果は薄い。他者の内面に執着できず問題の本質を抽出すると良い。

ストレスに感じる人と感じない人の大きな違いとは?

大部分がコントロール不能な他者の人格・内面に執着してあれこれ悩むのは、問題解決にも自己肯定にも役に立たないという意味で『考えても仕方がないこと』である。それが十分に納得できた時に人間関係の悩みから来るストレスの半分くらいは軽減するが、頭で分かっていても腑に落ちて自他を分離できるかの個人差は大きい。

上司から同僚の面前で叱責された時に、恥をかかされたとか自分はダメとか思い込む事は多いだろうが『上司の人格・内面に関わる人間関係(人の好き嫌い)の問題』と『仕事の遂行・水準に関わる自分自身の能力の問題』を切り離すだけでも気持ちは変わる。単なる不注意や忘却のミスなら、深刻に長く落ち込む必要もない。

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消費税増税を延期すれば日本の経済・財政・社会保障は良くなっていくのか?

超高齢化社会における年金・医療・介護の社会保障の持続性が疑われている限り、貯蓄をやめ消費が増大する可能性がなく、財政再建と経済成長のどちらかが改善しても『財政悪化・成長限界』の不安は解消できない。

増税三たび延期に布石か=成長重視の骨太方針

2019年の消費税増税の延期は、政財界や公務員制度の抜本的な制度改革による財政支出の抑制があってもなお弥縫策に過ぎない。社会保障費は毎年2兆円近いペースで増額しており、毎年消費税1%以上に相当する税収や保険料が年金・医療・介護で消える、この増加傾向は2050年頃までは止まらず税収増でも追いつかない。

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高額年俸の医師にも残業代(割増の時給)はきっちり支払うべきなのか?:年俸制と時給制と高度専門職

医師の高額年俸に残業代が含まれる旨の労働条件の契約書を、雇用した時点で提示しておくべきだった。残業代を支払うなら初めに年俸額を微減させて、割増時給の金額を明示しておくべきなのだろう。

高額年俸の医師にも残業代支払うべき? 最高裁判断へ

医療には社会福祉・倫理の側面が強くあるが、一人前の医師になるまでに相当な学費と勉強・研修のコストがかかり仕事も激務で患者に責任も生じるので、それなりの高所得を担保してほしいという言い分も分かるが、年俸2000万円に近ければ十分な高所得ではある。『年俸制』と『給与制・時給制』はそもそもの考え方が違う。

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近代日本の竹島の領有権獲得と韓国の独島の実効支配:なぜ日韓のナショナリズムは竹島(独島)問題で燃えるのか?

竹島は客観的には岩礁に過ぎず、大半の日本人・韓国人は実際に上陸しないという意味で『認識上の固有の領土+民族意識のぶつかる焦点』だが、国家観念が希薄な19世紀まで日韓共に無関心ではあった。

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竹島の領有権は国際法上は日本にあるが結局、明治維新でアジアで最も早く近代化した日本が衰退期の李氏朝鮮を圧倒しており、国家間競争における領土拡張の重要性を認識していたからこそ、日露戦争に勝った勢いもあって1905年に竹島を日本領に編入したのである。当時の大日本帝国と李氏朝鮮の力の差も大きかった。

竹島問題の原点は、韓国が朝鮮半島の侵略過程で竹島を日本が一方的に編入したというように、アジアの小国でロシアに一矢報いて自我肥大していた大日本帝国はそもそも『李氏朝鮮を対等な独立国家と見ていなかった事』が前提にある。ロシアの南下政策のために朝鮮を防波堤にしようする征韓論以来の一貫した覇権主義はあった。

近代化推進の日本は李氏朝鮮よりも圧倒的に軍事力・経済力・文化水準が高かったからこそ、当時衰退していた李氏朝鮮は『竹島含む海洋島嶼群の一方的な領土編入』に物申せなかったのであり、20世紀初頭の段階においては強者である日本が弱者である朝鮮半島を巡って、強者であるロシア(その後のソ連)と睨み合っていた。

竹島が固有の領土であるかは、20世紀初頭でも『過去の文献史料・領有権の議論・発見の歴史の先後』で決めたわけではなく、帝国主義の苛烈な領土争いの中で『日本領であると宣言しても他が競合できない国力の強さ』を日本が持っていたという事情が大きい。日本と朝鮮の近代の国力差と併合が感情的不満の根にある。

国家の独立や王朝の存続さえもが危ぶまれていた李氏朝鮮が、大量の犠牲を出しながらも白人国家ロシアを打ち破って勢いに乗る大日本帝国に対して『領有権争い』を仕掛けられるはずもなく、段階的に保護国化されていく過程で朝鮮は竹島どころか外交・内政含む国家主権の大半を日本に委譲する条約にサインしたわけである。

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