「エンターテイメント」カテゴリーアーカイブ

バーチャルリアリティ(VR)の進歩は『現代人の孤独・無力・宗教の喪失』を救うのか?

バーチャルリアリティ(VR)がアダルトに応用される展示会に応募者殺到で入場制限というニュースは苦笑を誘うが、脳に『現実感覚』を錯誤させる仮想現実の技術が究極的に進化した先で、『ネット(ゲーム)依存症・ドラッグ』を超える『リアルからの退却(ストレスフルなリアル滞在時間の減少)』が社会問題になりそうだ。

VRが究極に進歩した未来を描いた映画『マトリックス』では、エージェントが『こちらに留まれば思い通りの仕事も豪華な食事も最高の女(男)も思いのままなのに、お前は貧しくみすぼらしいあちらに戻って何がやりたいんだ』と誘惑しスキンヘッドが裏切る。薬物・不倫・心中もあちらの誘惑に屈しやすい退却的世相の反映か。

『こちらとあちら』という二項対立概念は非常にメタフォリカルで誘惑的なものであり、リアルとバーチャルといっても良いし、物理世界と精神世界でもあり、仏教の此岸(この世)と彼岸(あの世)に遡ることもできる。世俗と神聖(宗教・神)さえ、太古から人間が頭の中で思い描いてきたアナログなVRによる心の救済だった。

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映画をレンタルで見る人、映画館で見る人、定額動画サービスで見る人

映画をレンタルで見るか映画館で見るか。TSUTAYAやゲオのレンタルは5年以上使ってないな。ネット時代になって自宅で2時間のDVDを見るのが大変になり、返却の煩わしさも増した。

http://b.hatena.ne.jp/entry/anond.hatelabo.jp/20160509083521

DVD(ブルーレイ)プレイヤー自体、テレビと同時に購入したが、ディスクを挿入したことが10回あるかないかで、HDDの録画をたまに使うくらいしか使っていない。映画館は行く時は月に4回以上は行くが、強制的に見るしかない環境で見るのが、僕にとって一番効率的な映画の見方(他の事に時間を割かない)なのかも。

自宅でDVD・ブルーレイで鑑賞すれば、トイレ休憩できるとか、他の用事があれば一時停止したり巻き戻したりできるメリットは大きい。だが『別に今見なくてもいい動機づけ』にもなってしまう。途中で止めて後で続きを見ようとして、見ることができないまま、返却とかも結構ある。欲張ってたくさん借りて見られないとかもある。

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ドキュメント『人類滅亡(LIFE AFTER PEOPLE) 1.残された死体』の感想

人口ゼロ、人類が滅亡した後の世界はどうなるのかのシミュレーション・ドキュメンタリー。科学的根拠に基づく人間の技術(人工物)と自然(風化・他種繁殖)とのせめぎ合いが、どのような『人がいなくなった後の世界』を作っていくのか、超長期的な視点での予想がなかなか面白かった。

人類は自らが存在した痕跡と遺伝子情報を残すため、博物館のアクリルケース内で最適環境(温度・湿度)に調整したミイラ、死後の人体の冷凍保存、生殖細胞(精子・卵子・受精卵)の冷凍保存、周回軌道上の宇宙ステーションにおけるDNAデータ保存を行っている。現代の電気文明社会がメンテナンスされる限り、それらは半永久的に残るものとされているが……。

現代の文明社会の保存技術の根幹は『電気』『密封』『液体窒素(微生物が生存できない超低温)』であるが、いずれも数百年程度の自動的な保存も不可能な脆弱な技術や物質に過ぎない。いったん人口0人に到達してしまうと、マンパワーを介した保守管理や調整作業を行うことが不可能になる。

人が管理しなくなって荒れ放題となり燃料も枯渇した発電所からの電力供給は1年も持たずに途絶えてしまう。液体窒素もどんなに密閉していても緩やかに気化して内部温度は上昇していくため、人類の生体の形そのものや遺伝子情報を残すことはほぼ不可能になるという。

人間の手が加わらない自然界の生命力とモノ(人の制作物)に対する破壊力は非常に強力だ。数十年程度のスパンでも現在の文明社会の建築物・道路や水道のインフラ・乗り物等の遺物は風化・崩壊が進んでいき、亜熱帯気候や温暖湿潤気候の国の都市・町村は無数の植物と昆虫類が群生するジャングルのような状態になっていく。風・雨・雷・雪・波・地震・台風・火事に摩耗された文明社会を実現していた都市設備は、動物に荒らされ旺盛に繁茂する植物で覆い尽くされて遠からず朽ち果てていく。

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ギャルブームの衰退:ギャルとは何か?ギャルの反知性主義的な承認欲求と職業意識(生き方の理想像)

ギャルという言葉自体があまり使われなくなってヤンキーのように死語化しつつある。『派手な外観と勢い・反規則的な逸脱性・強い自己主張』でアイデンティファイされる女子の累計が現在では見えづらい。

セックス特集、安室奈美恵、秋葉原――「Cawaii!」元編集者が語る“ギャルブームの盛衰”

ギャルもヤンキーも『真面目でない+派手な目立つ外見+反知性主義』を特徴とするが、ヤンキーは硬派に性的要素を抑圧し、ギャルは逆に押し付けがましくフェミニンさを強調した。ギャルの最大の成功モデルが『アイドル・歌手・女優』は分かりやすい、安室奈美恵・浜崎あゆみあたりが過去にはギャルのイコンとして機能した。

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美容院の美容師との雑談も楽しみの一つ、 交通トラブルでは喧嘩を回避するのが得策だ。

髪を切りに行く時には、美容師との会話も楽しみの一つではある。客商売とはいえ担当を決めてなくても、会話スキルが高い人は多いので、よほど相性が悪くない限り、会話をして不快になることもない。

美容院に限らず、対人場面で『雑誌・本・スマホ』は余り見ないが、何回か当たった人なら大まかな興味の範囲がわかるので、『乗ってきやすい分野の話題やニュース』に焦点を合わせてあれこれ話を振ってみる。

美容室でイラっとすることTOP10

髪型の注文は表現の仕方に迷いやすいが、今は『現状維持か(1~2センチの範囲で切って揃える)イメージチェンジか(長さを大きく変える)・パーマの有無』の二択で考えている。

ずっと横を刈り上げていたのでカットでも『ツーブロック前提』になっているが、髪が耳にかぶさらないのに慣れてしまうと、横髪が煩わしくてなかなか伸ばせない……。

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近年のハロウィンブーム:コスプレの仮装行列まで参加する人の比率は低い。

昭和生まれの日本人にとっては、『ハロウィン』というのはそこまで馴染みのある行事でもなく、9~10月の時期にかぼちゃをデザインしたお菓子の詰め合わせ・雑貨の小物などが売っていたくらいの記憶しかないのではないかと思う。

現在の年齢で、20代半ばより下の世代にとってはハロウィンは、一年の中であって当たり前のポピュラーな行事として認識されているというが、『ハロウィンだからこういった祝い方(イベント)をするという定型的な過ごし方』があるわけではなく、大人も一緒にコスプレをして仮装行列を組むイベントへの参加は、日本全体ではごく一部(主に東京都心部)の人たちがやっているに過ぎないように思う。

大半の人はハロウィンらしいパッケージのアイテム・お菓子、かぼちゃを使った料理・スイーツなどをちょっと楽しむくらいのものではないかと思うが、経済効果が約1280億円でほぼバレンタインと同じくらいの規模だという。

食品・菓子・コスプレ雑貨・パーティーグッズなど含めた経済規模の大きさを考えると、『10月にも何か大きな商機となるイベントが欲しいというビジネス上の要請』があって、2000年代後半くらいから大手チェーン店の商品開発(季節商品)の協力も取り付けながら、電通・博報堂などがマーケティングを仕掛けていった結果なのだろう。

しかし、日本経済の大きさを考えれば約1300億円はそれほど巨大なマーケットではなく、『各世帯がいつもよりちょっと多めに季節物商品でお金を使うハロウィンの過ごし方』が定着していったということかもしれない。渋谷でやっているような数万人以上が押し寄せるような仮装行列パーティーというのは人口が多い都心の局所的な現象であり、地方の人口100万程度の政令指定都市レベルでもそんなに仮装行列が至るところで行われている風景の印象は薄い。

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