結婚の『コスパ』の高低と結婚の『義務感・強制性』の衰退:なぜ現代は未婚化・晩婚化が進むのか?

昔と今では若者の経済状況やコスパが違うというより、『結婚の自明性・義務,他人の人生への周囲の興味や噂』が格段に違っていたのでデメリットは批判・干渉や劣等感だった。中高年世代でロマンティックラブからの結婚の選択はレアで性愛と結婚は不可分である。

結婚は「コスパ」が悪い?議論勃発

結婚そのもの、出産・育児そのものが自己目的化していれば、コスパが高いか低いかは問題にならない。現代では『結婚・子供を通した自らの幸福度』も基準に含められ、『周囲の圧力・人並みの人生や世間体』などに影響される立場や関係にある人(きちんとした雇用・人生設計のレールに乗り同調圧力も強い人)が減っている。

結婚・子供そのものが自己目的化するというのは、かつては女性の長期の仕事がない等で『生活・常識のための結婚(しないと困窮したり差別されるリスク)』が主だが、今は『子供が欲しいや家族への憧れ・人生の節目や意味が欲しい・周りが皆している・無条件の惚込み・孤独や困窮の不安』等がある。

個人が一人や束縛し過ぎない付き合いの相手とでも楽しめる情報・娯楽・関係が増加したこと、平均寿命が延びたことも、『結婚・子供そのものの目的化』を難しくしている。結婚・子供を自己目的化せずにライトに決断すればいいという考えもあるが、現実にはライトな決断でも経済・倫理・子育ての責任ではシビアな部分は多い。

逆に現代人は『先読みのシミュレーション能力』を肥大させ過ぎているので、よほどの必要や情動、焦りに駆られないと無理をしようとしない傾向はある。医療の進歩や平均寿命の延長、死の病院化・施設化などで『個人の人生の儚さ・短さ』が実感しづらくなったことも、早い時期での結婚・出産を遠ざけ異性選択を複雑にした。

スポンサーリンク