『時給制のアルバイト・月給制のサラリーマン』より『成果給(実力主義)の自営業・自由業』のほうが有利とは通常言えない

破格の投資家・起業家・技術者なら1日数時間の労働で高額収入も有り得るが、自営業・自由業の大半は平均的なサラリーマン・アルバイトより1日の労働時間は長くストレスも強い。収入・ビジネスの継続に不安もあるので、一般に月給制の方が貧困化しない。

「時給や月給で働く人」が貧困化する理由 (19時間前)

自分や少数の人にしか生み出せない付加価値があり、書籍・音楽の印税や大規模なサイト構築・アプリ開発のように一度の成功で継続的な収入(生涯賃金相当)が入るとか、長期持続する特別なビジネスモデルや商材を持っているとかなら雇われるより自分でやるべきだが、徒手空拳の人なら雇用・月給以外に安定収入は得づらい。

雇用形態ではなく仕事の意識の面では、『時間にこだわらない好きな仕事』ができるほうが仕事の遣り甲斐は確かにあるだろう。時間に囚われて働く人は『今日は〇時までの意識』があり、時計を見ながら早く終わらないかなの気分になりやすいが、仕事を生活手段として割り切る人はどうしても多くなるだろう。

完全出来高制の自営業・自由業はとにかく格差が大きな世界で、開店休業状態の自由はあるが低所得の割合も多いわけで、日本の中流階層の大半は大企業や公務員のサラリーパーソンである。組織に属さず年収500万以上を稼ぎ続ける事は(世襲・信用・顧客引継ぎのない)ゼロからだと中堅サラリーマンになるよりハードルが高い。

月給制のサラリーマンは確かに毎日通勤して長時間の拘束・管理を受けなければならない意味では『不自由・窮屈』だが、逆に会社に行けば毎月の収入・社会保険が保障されている状態は、個人事業ではあり得ない。『他律の拘束・管理』と『保障・安定』はセットで、通常は後者を失う恐れが強く、収入ゼロなら生活できない。

記事では『労働時間に関係なく成果でお金がもらえる人になろう』というが、会社・組織に属していない個人で『実際に売れるモノ(高く売れる・長く売れる)』はかなり限られてくる。確かに、1つ成功すれば数百万の収入が振り込まれるような付加価値なら収入に波があっても良いが、それだけの売り物や能力があるかである。

完全出来高制のフルコミットも、サラリーマンなら通常は不動産・車関係の単価が高いもの(ローンを組ませるもの)が多く、数百万?数千万円する商品を売れるのであれば10%の成果報酬でも売る能力がある人ならかなりの収入になる。個人でプログラムやサイト開発など技術を売るにしても、企業経験がある方が有利だろう。

簡単に『いくら長時間働いてもそれが売れなければ収入はゼロ』と書くが、大きな資産や他の家族のバックアップがない人にとって、『収入ゼロの月』が何か月か続けば死活問題になりかねず、これが最も大きなリスクなのだ。金持ちの道楽で客が来ても来なくてもいい自営業のカフェやアパレル、画廊でもやるならそれでもOKだが。

個人単位の自営業・自由業は確かに軌道に乗ってきて、職種によっては不労所得に近いインカムが継続的に入ってきだすと、大半の人は『高額所得者』まではなれないが、『自由度の高い中所得者(平日の昼間でも行動の自由が効くなど)』になれることがある。好きな仕事でマイペースでほどほど稼ぐのはサラリーマンでは難しい。

シニカルだがフリーライターの記事単価は1本1000円を超えることは少なく、この記事程度の分量と質でも1時間で書き上げるのは難しい。今はコモディティな店員のバイトでも時給1000円くらい貰えるので、フリーライターの仕事も費用対効果は必ずしも高くない、丁寧に書いても付加価値を金額では評価してもらえない。

単純にライターのような自由業で金額換算で中堅サラリーマンに並ぶというのは、社会保険の優遇部分まで含めれば、現実にはかなり難しい。年収400~600万のサラリーマンは時給換算で2500~3000円程度を稼いでいるのに相当し、会社の後ろ盾なしにそれを自分で稼ごうとすればかなり骨である。

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