バングラデシュ・ダッカのテロ事件の犯人は『裕福な家・高学歴の若者』が多かった:なぜエリート崩れはテロに駆られやすいのか

バングラデシュのテロ事件の加害者が『裕福な家庭・高学歴のエリート層』だった事が想定外な感じで報じられているが、思想犯としてのテロリストはいつの時代でも『インテリ層(エリート崩れ・思想言語による世界観の構築と挫折の反動)』が多い。連合赤軍にしてもオウム事件にしても無教養ではない確信犯のインテリだった。

バングラデシュのテロ事件の加害者は、イスラム過激派の聖戦・反欧米の思想にかぶれたとも言われるが、『世界・国・社会の矛盾を孕んだ現実』に対し、インテリは概ね『高待遇・権威的なポスト』のエリートになる事で折り合いをつけるが、思想犯のテロリストになるのはエリートになり損ねた自己顕示の強いインテリ層に多い。

思想にせよ宗教にせよ、原理主義には『自分が折り合えない世俗社会の矛盾・序列を転覆させる一貫性のある世界観』があり、その世界観を盲信して観念主義(イデア探究)から行動主義(リアル変革)に転換することで『思想犯のテロリストになるリスク=原理主義が導く世界のあるべき姿を作る殺人容認の大義名分』がでてくる。

何らかの思想・宗教の原理主義的な体系と解釈によって、殺人も正当化できるとする思想犯のテロリストは、『思い通りにならない現実に対するエリート意識(特権意識・歴史的な自己価値)をこじらせた者』である。現実の挫折感や矛盾・限界で打ちのめされ、『選民意識・自己愛を肥大させた妄想的な危険人物』とも言える。

スポンサーリンク