なぜ専業主夫希望の男性が若い世代で増えているのか?:昭和の経済成長期の性別役割分担の緩やかな崩壊と新たな男女の仕事・役割の模索

男は仕事、女は家事育児という性別役割分担の崩壊は、女性が望んだ事というより経済のグローバル化・非正規化と人件費抑制による『平均所得下落の結果』ではある。『一人の所得で十分に家族が生活できる世帯』自体が減った。

なんと●人に一人が?「専業主夫になりたい夫」の割合と適正な対価は

専業主婦(専業主夫)がいる世帯とは『家事・育児・雑事のお手伝いさんがいる世帯』で、日本では昭和の経済成長期前後以外は専業主婦がいる家は多くなかった見方もある。だが昭和初期以前の専業主婦がいない家はほとんど『農家・漁師・自営』など『職住一致』だったので、育児しながら仕事もできる環境の違いが大きい。

専業主婦(専業主夫)と外で働くサラリーマンのどちらが楽・得かは一概には言えない。夫婦間の相手と環境、条件に拠る部分が大きい。『一人で十分家族を養える所得があり、お金の管理を任せてくれ家事育児の水準に要求が大きくない人(その寛容な態度がずっと変わらない人)』なら専業主婦・主夫が良いが…なかなか現実には見つけるのは大変そうだがいるかな?

いくら稼ぐ相手でも、生活費ギリギリのお金しか渡さず、自由に使えるお金はゼロに近く支出をチェックされ家事育児にダメだしされ、がっちり細かくお金を管理するような人なら、専業主婦・主夫は『管理された自由もお金もない生活』というだけになりかねない。働いて自分で稼いだほうが相当にマシな生活・自意識になる。

専業主婦・主夫の適正な対価は『対価を支払える水準の家事育児(赤の他人の顧客から仕事として依頼された時の意識・仕事)』なら計算可能だが、毎日仕事レベルのハウスキーピングやベビーシッターを行うのは不可能で、また家族間でそこまで緊張感を持って家事をしてチェックも受ければストレスで心身を壊しかねない。

専業主婦・主夫のリスクは『結婚制度・相手の考え方の終身性』にリスクヘッジを依拠しすぎているため、いざ相手からの継続的な収入が断たれた時に、何十年も仕事をしていないとして『そこから何をして稼げるか』の部分が相当に大きな悩みになりかねない。年金制度も免除の3号被保険者をいつまで維持するか不透明さが残る。

専業主夫になりたい男・夫の増加は、現代の就職・転職市場の厳しさや仕事に就いてからの労働環境のきつさとも相関している可能性が高い。フルタイムのハードな正社員で働いても権威・沽券を維持するほどの十分な収入を得られないことから、かつてほど世帯主としての自意識が高まらない事もあるかも。

男の専業主夫のリスクは女のそれよりも一段高い可能性がある。中高年以降の異性の配偶者を精神的・生活的に必要とする度合いが一般に女性より男性のほうが強く、『配偶者なしで元気な率』も女が高い。男は財産・年金額・稼ぎがないと高齢の再婚は厳しく、同性間の非仕事系のコミュニティも弱い。

社会参加や経済的主体性、状況のコントロール力というものをどのように考えるかということに尽きるが、『自分自身では稼げないという状況』はバイトでも派遣でも何か仕事がある若い頃よりも年を取ってからのほうが致命的になる恐れはある。『相手の収入・気持ち』だけに運命を委ねてダメになったらどうするかの次の一手を。

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